吃驚びつく)” の例文
彼は吃驚びつくりしたやうに見えた——今、私にお歸りと云つたのに、吃驚りするなんて、ひどく矛盾してゐるわけだが。彼は叫んだ。
はたし合ひの場合に於ける騎士の声が臆病者の悲鳴のやうにうわずつた震へ声が出て、思はず自分で吃驚びつくりして、改めて重々しく唸り直したりする程のしどろもどろの態たらくに接して、見物人は
歌へる日まで (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
美代 あら、そんなに吃驚びつくりしないだつていゝわ。
一度だつて彼の口から出るよくない隱喩いんゆ諷刺ふうし吃驚びつくりしたりまごついたりしたことはなかつた。