“じょうじょう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
嫋々38.6%
上乗21.7%
上々4.8%
嫋嫋4.8%
襄城4.8%
常情3.6%
条々3.6%
畳々3.6%
上〻1.2%
上上1.2%
(他:10)12.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ヒューッとはいる下座の笛、ドンドンと打ち込む太鼓つづみ、嫋々じょうじょうと咽ぶ三弦の、まず音楽で魅せられる。
大鵬のゆくえ (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これらの歌にすぐ感じられる事は、第一に嫋々じょうじょうとした余韻と、第二に自然を鑑賞する特殊の角度とである。
中世の文学伝統 (新字新仮名) / 風巻景次郎(著)
文壇の風潮たとへば客観的小説を芸術の上乗じょうじょうなるものとなせばとてひてこれに迎合げいごうする必要はなし。
小説作法 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
そして探偵小説は描写の技巧の優れたるよりもプロットの優れたものを上乗じょうじょうとすべきであろうと自分は思う。
「二銭銅貨」を読む (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
「かしこまりました。ヘイ、さいの目にね。おいよ店の衆、十きんがとこ、極く上々じょうじょうを急いで」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「敵にはいかなるはかりごとがあろうも知れませぬ。なんの対策もなくそこへとびこんでまいるは、上々じょうじょうの策ではござりませぬ。なにとぞ思いとどまって——」
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私たちの世代にいたっては、その、いとど嫋嫋じょうじょうたる伝統の糸が、ぷつんと音たてて切れてしまったかのようである。
古典竜頭蛇尾 (新字新仮名) / 太宰治(著)
ただ妙に嫋嫋じょうじょうとして和やかな、まるで一色ひといろの闇のやうに潤んだものが彼をトップリ包んでゐた。
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
宋の襄城じょうじょう李頤りいあざな景真けいしん、後に湘東しょうとうの太守になった人であるが、その父は妖邪を信じない性質であった。
襄城じょうじょうをすぎて、淯水いくすいほとりにかかった。
三国志:04 草莽の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
つねさんなければ恒の心なく、ひんすればらんすちょう事は人の常情じょうじょうにして、いきおむを得ざるものなり。
妾の半生涯 (新字新仮名) / 福田英子(著)
この歌では、自身のことを詠んでいるのだが、それは妻に亡くなられて悲しい余りに、自分の身をも悲しむのは人の常情じょうじょうであるから、この歌は単に大観的に無常を歌ったものではないのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
やなぎれて条々じょうじょうの煙をらんに吹き込むほどの雨の日である。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「ヤヤッ! そういう間も、もう水がたまりだしたぞ。土ふまずへ、ヒタヒタと水がきた」事実、部屋全体にうすく水が行きわたったらしく、線のほそい滝の水が、条々じょうじょうと……。
丹下左膳:02 こけ猿の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
畳々じょうじょうと重なりすくすくと聳えた山という山は皆白く、峰という峰も白皚々はくがいがいと空の蒼さに溶けもせず静寂の谷間を見守っている。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
だから「建たなかった城のあと」で、畳々じょうじょうたる石垣と地下室と隧道とんねるが草にうずもれ、大きな松タアル小さな松グロウ——青苔で足が滑る。
踊る地平線:05 白夜幻想曲 (新字新仮名) / 谷譲次(著)
毎日〻〻真剣勝負をするような気になって、良い物、悪い物、二番手、三番手、いずれ結構上〻じょうじょうの物は少い世の中に、一見損みそこなえば痛手を負わねばならぬ瀬に立って、いろいろさまざまあらゆる骨董相応の値ぶみを間違わず付けて、そして何がしかの口銭を得ようとするのが商売の正しい心掛こころがけである。
骨董 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「あのちいさなのどが、よくもうごくものだ。どうもいままであれをきいていなかったのがふしぎだ。あれなら宮中でも、上上じょうじょうのお首尾しゅびじゃろう。」
幕いよいよ明かんとする時畠山古瓶以前は髯むぢやの男なりしを綺麗に剃りて羽織袴はおりはかまの様子よく幕外に出でうやうやしく伊井一座この度鴎外先生の新作狂言上場じょうじょうゆるしを得たる光栄を述べき。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
ごうごうの地鳴りは鳴りやまず、一しんへきを裂き、また、山をふるッて、このため、龍虎山の全峰はえ、信江しんこう上饒じょうじょうの水は、あふれ捲いて、ふもとを呑むかと思われるほどだった。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
天下壌々じょうじょう利のために往き、天下熙々きき利のために来たる。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
ここに於て我輩の要求する如上じょうじょうの二大要項の根本的解決の必成を期待してまざるものである。
永久平和の先決問題 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
——何処どこやしきの垣根ごしに、それもたまに見るばかりで、我ら東京に住むものは、通りがかりにこの金衣きんい娘々じょうじょうを見る事は珍しいと言ってもい。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しかしその間にも、たまには彼女のクルベー以前、お座敷へ出ていた時分の客も少しはあるものらしく、暮には何か裏までぼかし模様のあるすばらしい春着などを作って、嬝嫋じょうじょうすそを引きながら、べろべろに酔って庸三の部屋に現われることもあった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
絢爛けんらんの秋が過ぎて、落つるものは落ちつくし、るゝものは枯れ尽し、見るもの皆乾々かんかん浄々じょうじょうとして、さびしいにも寂しいが、寂しい中にも何とも云えぬあじがある。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
見るまに四明ヶ岳も湖水も伊吹も乳色になって、ただ滌々じょうじょうと雨の音しか耳になかった。——と思ううちに眸をたれたように雷光いなびかりを感じると、どこか近くに雷が落ちたらしかった。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
とあるように、一たび、これを土中にき、それに雨、露、日光、肥料というような、さまざまな縁の力が加わると、一粒の籾は、秋になって穣々じょうじょうたる稲の穂となるのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)