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鬢
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びんずら
ふりがな文庫
“
鬢
(
びんずら
)” の例文
立って、
衣紋
(
えもん
)
を正した時、学士の膝は濡れていた。が、
鬢
(
びんずら
)
の梅の
雫
(
しずく
)
ではない、まつげのそよぎに、つらぬきとめぬ露であった。——
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
自分は老年の今日までもその美しい
容貌
(
かおかたち
)
、その優美な
清
(
すず
)
しい目、その
光沢
(
つや
)
のある緑の
鬢
(
びんずら
)
、なかんずくおとなしやかな、奥ゆかしい、そのたおやかな花の姿を
初恋
(新字新仮名)
/
矢崎嵯峨の舎
(著)
勇美子も夜会結びの
鬢
(
びんずら
)
を吹かせ、雨に頬を打たせて
厭
(
いと
)
わず、掛茶屋の
葦簀
(
よしず
)
から半ば姿をあらわして
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「ですかい、」と言いつつ
一目
(
ひとめ
)
見たのは、
頭
(
かしら
)
禿
(
かむろ
)
に
歯
(
は
)
豁
(
あらわ
)
なるものではなく、日の光
射
(
さ
)
す紫のかげを
籠
(
こ
)
めた
俤
(
おもかげ
)
は、
几帳
(
きちょう
)
に宿る月の影、雲の
鬢
(
びんずら
)
、
簪
(
かざし
)
の星、
丹花
(
たんか
)
の唇、
芙蓉
(
ふよう
)
の
眦
(
まなじり
)
、柳の腰を草に
縋
(
すが
)
って
春昼後刻
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
と斜めになって袖を
噛
(
か
)
むと、
鬢
(
びんずら
)
の
戦
(
そよ
)
ぎに連立って、
袂
(
たもと
)
の
尖
(
さき
)
がすっと折れる。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
礼之進は
提革
(
さげかわ
)
に
掴
(
つかま
)
りながら、人と、車の動揺の都度、なるべく操りのポンチたらざる態度を保って、しこうして、乗合の、肩、頬、耳などの透間から、
痘痕
(
あばた
)
を散らして、目を配って、
鬢
(
びんずら
)
、
簪
(
かんざし
)
、
庇
(
ひさし
)
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
鬢
漢検1級
部首:⾽
24画
“鬢”を含む語句
鬢髪
両鬢
鬢付
霜鬢
小鬢
鬢櫛
乱鬢
糸鬢奴
鬢掻
雲鬢
鬢附
鬢毛
鬢附油
糸鬢
堅鬢付
横鬢
鬢盥
片鬢
鬢付油
鬢糸
...