カヅラ)” の例文
カヅラが、里の物忌みの被り物とは、変つて居たからでせう。山人の伝へた物語や歌は、海語の様には知れませんが、推測は出来ます。
翁の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
彼らは、杖を地に置き、カヅラを解いた。カヅラは此時、唯真白な布に過ぎなかつた。其を、長さの限り振りサバいて、一様に塚に向けて振つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
白い著物・白いカヅラ、手は、足は、すべて旅の装束イデタチである。頭より上に出た杖をついて——。このタヒラに来て、森の前に立つた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)