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かうぶ
彼には
寸毫も
父兄の
力が
被つて
居ない。
頑是ない
子供の
間にも
家族の
力は
非常な
勢ひを
示して
居る。
其家族が一
般から
輕侮の
眼を
以て
見られて
居るやうに、
子供の
間にも
亦小さい
與吉は
侮られて
居た。
蒙るは
笑止千萬但證據有やと尋ぬるに然れば福井町に
住權三助十と云ふ
駕籠舁二人證人なりと申せば八右衞門
首を
蒙るべし願くは彦兵衞を
御返下され候樣に願ひ奉つると申ければ大岡殿
無言にて居られし故權三助十は大岡殿を
蒙り母の
看病仕つり
度と涙ながらに申けるを大岡殿聞れ汝が申
條道理には聞ゆれ
共又胡亂なる處あり
其の
譯は
其方遙々利兵衞を
頼みに思ひて來りしに
渠約束を