“被(ぱり)” の例文
門を出る頃には、もう弟子の誰彼に追ひつかれて、上(うは)つ被(ぱり)は滅茶々々に引(ひ)つ奪(たく)られ、若者の手には片袖一つしか残つてゐなかつた。
信吉のズッと前にいる婆さんは何枚コマを持ってるのか、白い上っ被(ぱり)を着た女売子が両手で白パンをかかえては籠の中へ入れてやってる。ホイ、もう一本か。そう慾ばるない。
ズラかった信吉 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
若者は手を出してその上(うは)つ被(ぱり)をさつと掻(か)つ浚(さら)つたと思ふと、いきなり駆けだした。だが少し遅かつた。