トップ
>
被
>
かか
ふりがな文庫
“
被
(
かか
)” の例文
その面色、その
声音
(
こわね
)
! 彼は
言下
(
ごんか
)
に
皷怒
(
こど
)
して、その名に
躍
(
をど
)
り
被
(
かか
)
らんとする
勢
(
いきほひ
)
を示せば、愛子は
駭
(
おどろ
)
き、狭山は
懼
(
おそ
)
れて、何事とも知らず
狼狽
(
うろた
)
へたり。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
外へ出ると、そこらの庭の木立ちに、
夕靄
(
ゆうもや
)
が
被
(
かか
)
っていた。お作は新坂をトボトボと小石川の方へ降りて行った。
新世帯
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
真黒
(
まつくろ
)
に煤びた屋根裏が見える、壁側に積重ねた布団には白い毛布が
被
(
かか
)
つて、
其
(
それ
)
に並んだ箪笥の上に、枕時計やら鏡台やら、
種々
(
いろん
)
な手廻りの物が
整然
(
きちん
)
と列べられた。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
仄白
(
ほのじろ
)
い夜の雪ばかりで誰の影も見えません。
暫
(
しばら
)
く
佇立
(
たたず
)
んでおりましたが、「晴れたな」と口の中で言って、二
歩
(
あし
)
三
歩
(
あし
)
外へ
履出
(
ふみだ
)
して見ると、ぱらぱら冷いのが
襟首
(
えりくび
)
のところへ
被
(
かか
)
る。
旧主人
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
薄
(
うっす
)
り路へ
被
(
かか
)
った水を踏んで、その
濡色
(
ぬれいろ
)
へ
真白
(
まっしろ
)
に映って、
蹴出
(
けだ
)
し
褄
(
づま
)
の
搦
(
から
)
んだのが、私と並んで立った姿——そっくりいつも見る、座敷の額の
画
(
え
)
に覚えのあるような有様だった——はてな
沼夫人
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
▼ もっと見る
書画箋や鼠
被
(
かか
)
ぶる
間
(
ま
)
をおきて聴くに
穏止
(
おだや
)
みまた引き裂きぬ
黒檜
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
鬚髪
(
しゅはつ
)
下垂して肩に
被
(
かか
)
り面に
蒙
(
かむ
)
る。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
宮は
虚
(
すか
)
さず
躍
(
をど
)
り
被
(
かか
)
りて、我物得つと手に為れば、遣らじと満枝の組付くを、
推隔
(
おしへだ
)
つる
腋
(
わき
)
の下より
後突
(
うしろづき
)
に、
𣠽
(
つか
)
も
透
(
とほ
)
れと刺したる急所、一声
号
(
さけ
)
びて
仰反
(
のけぞ
)
る満枝。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
そこには
萌黄
(
もえぎ
)
の
布
(
きれ
)
の
被
(
かか
)
った箪笥のうえに新しい鏡台などが置かれてあった。
爛
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
「
貫一
(
かんいつ
)
さん」と
匐
(
は
)
ひ寄らんとするを、
薄色魚子
(
うすいろななこ
)
の羽織着て、
夜会結
(
やかいむすび
)
に
為
(
し
)
たる
後姿
(
うしろすがた
)
の女は
躍
(
をど
)
り
被
(
かか
)
つて
引据
(
ひきすう
)
れば
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
被
常用漢字
中学
部首:⾐
10画
“被”を含む語句
被仰
頬被
引被
被衣
被布
上被
被居
法被
被入
被物
頭被
被来
被下
蔽被
面被
外被
押被
被遊
打被
被存候
...