)” の例文
罪の汚名は敗者にはされむ、是世俗の常なればなり、されど神罰眞に罪ある者に下るに及びて敗者も汚名を雪ぐを得べし
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
花をかぬ枝もなく、家に居る人も、晴衣して花の下行く子も、おしなべて老も若きも、花の香に醉ひ、醉心地おぼえぬは無いといふ、あまが下の樂しい月と相場がきまつて居るのに
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
一見人工をくわへたる文珠菩薩に髣髴はうふつせり、かたはらに一大古松あり、うつとして此文珠いわへり、丘を攀登ばんとして岩下にちかづかんとするも嶮崖けんがい頗甚し、小西君および余の二人奮発ふんぱつ一番衆に先つてのぼ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
森下深井両君のごときは地理掛としてもつとも其道に専門の人と云ふべきなり、林区署の諸君またしかり、大塚君は前年名佐技師にしたがふて利根山間をさぐりし経験けいけんあり、長髯口辺をひ背に熊皮くまかわよこたへ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
其後荊棘けいきよくの為めにこと/″\破壊はくわいせられ、躰をふべきものさらに無く、全身こぞりて覆盆ふくぼんの雨に暴露ばうろせらる、其状そのじやう誠にあはれむにへたり、衆相対してひらくもげきとしてこゑなく、あほぎて天の無情をたん
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)