きせ)” の例文
唯こんな場合にはみつともない細君よりは美しい方がずつと恰好なものだ、丁度帽子をきせる頭は禿げたのよりも、髪の毛の長いのが恰好なやうに。
菊子は群衆を掻き分けて蓆をきせられた父の屍を見たが、さすが豪気な娘でもしばらくそこを立上ることが出来なかった。
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)