“今夕”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
こんせき78.6%
こんゆう14.3%
こんゆふ7.1%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「備前でござる。今夕こんせきたわむれは、まったく門人どもの私意。ひらにおゆるしを。平に」とばかり百遍も叩頭こうとうして詫び入った。
剣の四君子:05 小野忠明 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この汽車は新橋を昨夜九時半にって、今夕こんせき敦賀に入ろうという、名古屋では正午ひるだったから、飯に一折のすしを買った。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
播磨 幸ひ今夕こんせきの来客は水野殿を上客として、ほかに七人、主人をあはせて丁度九人ぢや。皿が一枚かけても事は済む。なう、十太夫。
番町皿屋敷 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
矢沢 されば、今夕こんせきのお慰みに——いや、おなぐさみと申しては、奎堂先生に失礼でござるが、一同の刀を相せしめましてはいかがで。
稲生播磨守 (新字新仮名) / 林不忘(著)
彼等の記録に、「今夕こんせき討死、きずを蒙る輩数を知らず。もっての外のことなり。之を為すこと如何」と放心の状である。
四条畷の戦 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「へんなこともあるものじゃ——まさしゅうこれは家康公いえやすこうのお手紙で、おまけに今夕こんゆうのお日附ひづけとなっている」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あす二十二日がこの村の鎮守祭礼ちんじゅさいれいの日で、今夕こんゆうはその宵祭よいまつりであるからであろう。
告げ人 (新字新仮名) / 伊藤左千夫(著)
「いや解らない。軽蔑けいべつの結果はあるいは解ってるかも知れないが、軽蔑の意味は君にも君の細君にもまだ通じていないよ。だから君の今夕こんゆうの好意に対して、僕はまた留別りゅうべつのために、それを説明して行こうてんだ。どうだい」
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「いいえ、あなたの御誠意に感じて、兄が、会わねば悪いとは云い出しましたが……それも今夕こんゆうではございません。きょうは、この雨さに、臥床ふしどの中におりますから、他日、こちらから迎えをさしあげた折、来ていただきたいと申しますので」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ああ、それから、今夜のわけでございます……。ふいに今夕こんゆう浜松城の大広間おおひろまでなにやらみなさまのこ評定ひょうじょう、——と見えますると、余一余一! こう万千代さまのおびです。はッと、おんまえにかしこまりますと、すなわち、このご状筥じょうばこ——」
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
今夕こんゆふはもう心の上にはをつたものは脱ぎすて、素つ裸になつて、盛んに感情をのみ動かして居た。
公判 (新字旧仮名) / 平出修(著)
只今から、東京防衛司令部発表のニュースを放送いたします……今夕こんゆふ、八月八日午後八時五十五分、同じく九時二十分の二回に亙り、帝国の領土上空を襲ひたる敵機は、総数合せて三十六機、疾風暗黒の夜に乗じてたくみに我が攻撃を避け