“かぶさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
50.0%
25.0%
12.5%
覆蔽12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ここで手を離して、沓脱くつぬぎの石に熊笹の生えかぶさったわきへ、自分を開いて教えました。障子は両方へ開けてあった。ここの沓脱を踏みながら、小手招こてまねきをしたのでしょう。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
寂然せきぜんとした冬枯れの山林が小さな田を隔てて前にある。地はすっかり雪がかぶさって、その中から太い素直に伸びた若木が、白っぽい枯木の色をして立っている。私はその奥をすかして見た。
遠野へ (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
蓊欝こんもりと木がかぶさつてるのと、桶の口を溢れる水銀の雫の様な水が、其処らの青苔やまろい石を濡らしてるのとで、如何いか日盛ひざかりでもすずしい風が立つてゐる。智恵子は不図かつを覚えた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
と膨れて見える……この影が覆蔽かぶさるであろう、破筵やれむしろは鼠色に濃くなって、しゃがみ込んだ児等こどもの胸へ持上って、ありが四五疋、うようよとった。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)