“ふさい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
負債31.8%
傅彩13.6%
夫妻13.6%
不才9.1%
不材9.1%
鬱々4.5%
沈鬱4.5%
覆載4.5%
4.5%
鬱屈4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私は今あなた方や、また君達のことを思ふと限りなく深い負債ふさいの沼にはまつて行くばかりだ
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
傅彩ふさい画面の半ばにも至らぬころ、ポツリポツリと雨は落ちて来て、手にせるパレットの紅を散らし紫を溶かす、傘をかざしてやや暫くは辛抱したが、いつむとも思えぬ空合に、詮方なく宿に帰った。
白峰の麓 (新字新仮名) / 大下藤次郎(著)
白が甲州にやしなわれて丁度一年目の夏、旧主人きゅうしゅじん夫妻ふさいは赤沢君を訪ねた。そのうちに着いて挨拶して居ると庭に白の影が見えた。喫驚びっくりする程大きくなり、豚の様にまる/\と太って居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
以てさとされければ城富は段々との御利解ごりかい有難き仕合しあはせに存じ奉つるさりながらおして願へば不孝ふかうなりとの御意は不才ふさいの私しにはわかりません親の爲にするは孝道かうだうかと存じますと親富右衞門を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
たま/\花さくも花やかならず茎太くきふとけれどもをのにあたらず、かの山中不材ふさい類木るゐぼくにたぐへてその性よし。
大島仁藏翁おほしまじんざうをう死後しご權藏ごんざう一時いちじ守本尊まもりほんぞんうしなつたていで、すこぶ鬱々ふさいましたが、それも少時しばしで、たちまもと元氣げんき恢復くわいふくし、のみならず、以前いぜんましはたらしました。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
鬱々ふさいたのはかんがへてたのです。かれ老人らうじん最後さいご教訓けうくん暫時しばらくわすれることが出來できないので、をがまれるほどうつくしいことるにはなにたらからうと一心いつしんかんがへたのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
可憫かわいそうに、倅はひどく沈鬱ふさいでいるようだな。母親のへやへ行ったのか、まアうっちゃっておけ……何だか家の様子が変って、おれも急に老けたような気がする。でも倅がいるので大助かりさ。
(新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
天地われをまちて覆載ふさいし、日月われをまちて運行す。四時われをまちて変化す。万物われをまちて発生す。
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
如何遊いかゞあそばされ候やと申ければ越前殿され癪氣しやくきにて四花の邊より小腹せうふくへかけきり/\と差込さしこんで食事も進まず兎角にふさいでならぬが其方のうはさ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「何だかこの頃は始終鬱屈ふさいでばかり御座るが、見ていても可哀そうでなんねえ、ほんとに嬢さんは可哀そうだ……」と涙にもろい倉蔵はわきを向いて田甫たんぼの方をなが最早もう眼をしばだたいている。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)