負債ふさい)” の例文
丈「さア色々仔細有って、実に負債ふさいでな、どうも身代が追付おっつかぬ、ずどうあっても身代限しんだいかぎりをしなければならぬが、身代限をしても追付かぬことがある」
私は今あなた方や、また君達のことを思ふと限りなく深い負債ふさいの沼にはまつて行くばかりだ
太陽の子 (旧字旧仮名) / 福士幸次郎(著)
それで到頭たう/\落城らくじやうしてしまつたのです、滅亡めつばういては三つの原因げんいんが有るので、(一)は印刷費いんさつひ負債ふさい、(二)は編輯へんしうと会計との事務じむ煩雑はんざつつて来て、修学しうがく片手業かたてまあまるのと
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
節約に節約を加えた経済法はだんだん成功して負債ふさいもすくなくなり、校長の斡旋あっせんで始めた頼母講たのもしこうにも毎月五十銭をかけることもできるようになった。午後の二時ごろにはいつも新聞が来た。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
今此処から三里へだてゝ居る家の妻の顔が歴々と彼の眼に見えた。彼は電光の如く自己じこの生涯を省みた。其れはうつくしくない半生であった。妻に対する負債ふさいの数々も、緋の文字もじをもて書いた様に顕れた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
負債ふさいなるが多きをむるよしの結果にそろ
もゝはがき (新字旧仮名) / 斎藤緑雨(著)
負債ふさいのごとく
悲しき玩具 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)