“メランコリツク”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
憂鬱33.3%
沈鬱33.3%
鬱憂33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
麦酒ビエエルを飲んで居ると約束の午後四時にそのお嬢さんが遣つて来た。しか今日けふにはか差支さしつかへが起つてかれない、只その断りに来たのだと言ふ。目附の憂鬱メランコリツクな、首筋のほつそりとした、小柄な女である。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
すべてが新作である。中にも「紅雀」は青いおほひを着せた紅雀の籠が何事かの象徴サンボルであるらしく終始観客くわんかくの心を引附け、支那の貴人の家の静かな男女なんによの挙止応対がまつた沈鬱メランコリツクな気分を舞台にみなぎらせた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
殊に空は、それも水平線に近き所は、ちやうど試驗管の底に澱むヨオドの如く、重い鬱憂メランコリツクな紫に淀んでしまつたのであつた。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)