“メランコリー”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
憂欝22.2%
憂鬱症22.2%
哀情11.1%
憂欝的11.1%
憂鬱11.1%
憂鬱病11.1%
鬱憂11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
その時悠然と彼は立ち上って、そして茫然としている私を残して音もなく出て行ってしまった。私の上に大きい憂欝メランコリーが次第に濃くかぶさって来た。私はその時非常に荒廃した孤独の感慨に打たれた。
蠱惑 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
下剃の幾松をうとましく見たのはまことに自然な成行で、幾松がそれを悲觀して、極度の憂鬱症メランコリーに陷つたのも考へられることでした。
その天末てんまつに糸を引くがごとき連峰の夢よりも淡きを見て自分は一種の哀情メランコリーを催し、これら相重なる山々の谷間に住む生民せいみんおもわざるを得なかった。
小春 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
彼は私に会って、憂欝的メランコリーな愉快を感じたらしく見えた。彼は最後に会った時にくらべて、すこしも年取っていない。私は彼から陶器を百二十七個買ったが、その多くは非常に珍稀である。
彼の習慣的な平素の表情は憂鬱メランコリーであった。「医し難い悲しみ」であった。
ゴリラには、憂鬱病メランコリー恐怖症ホビーが周期的にきて、その時期がいちばん狂暴になりやすいという。そして苦悶くもんつのって来てえられなくなると“Hyraceumヒラセウム”をめにきて緩和するというのだ。
人外魔境:01 有尾人 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
非常に温かく、優しい鬱憂メランコリーを味はつた。暗誦する詩は今も決して尠くない。『若菜集』や『落梅集』に就ては、詩壇全体がいろ/\の記憶を語るとも尽きないであらう。
明治詩壇の回顧 (新字旧仮名) / 三木露風(著)