“いんうつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
陰鬱85.1%
陰欝14.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
敬太郎は婦人の着る着物の色や縞柄しまがらについて、何をいう権利もたない男だが、若い女ならこの陰鬱いんうつ師走しわすの空気をね返すように
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
陰鬱いんうつな事件です、人心が溷濁こんだくし、血で『一掃する』という文句が到るところに引用され、全生活が安逸コムフォートを旨とする現代のでき事です。
そこが此のうちの一番奥に当る部屋だが、そこを天願氏がゆびさして陰欝いんうつな顔をした。私は思わずその方向をふり返った。
風宴 (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
そして眼つきがおそろしくすわったようになって、そうなくてさえ、平常から陰欝いんうつになりがちの顔が、一層恐い顔になった。
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)