わか)” の例文
晃 むむ、ごとに見れば星でもわかる……ちょうど丑満うしみつ……そうだろう。(と昂然こうぜんとして鐘を凝視し)山沢、僕はこの鐘をくまいと思う。どうだ。
夜叉ヶ池 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
さあ少し遅くはなつたれど母親おふくろの持病が起つたとか何とか方便は幾干でもつくべし、早う根岸へ行くがよい、五三ごさ様もわかつた人なれば一日をふてゝ怠惰なまけぬに免じて
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)
「君等に大人たいじんの心がわかつてたまるものか」と村井はくわつ一睨いちげいせり「泥棒の用心するのは、必竟つまり自分に泥棒根性こんじやうがあるからだ、世に悪人なるものなしと云ふのが先生の宗教だ、 ...
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
其所は源太を抱寝するほどのお吉様にわからぬことは無い寸法か、アハヽヽヽ、源太が居ないで話も要らぬ、どれ帰らうかい御馳走は預けて置かう、用があつたら何日でもお出
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)