ちま)” の例文
で、非常な乱暴をやっちまった。こうなると人間は獣的嗜慾アニマルアペタイトだけだから、喰うか、飲むか、女でももてあそぶか、そんな事よりしかしない。
予が半生の懺悔 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「残額二圓誰かから借りよう。昨今我々は逼迫ひっぱくして居るから、早く五圓にして丸善へ持って行かないと、つかちまいそうだ。」
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そこでだ、若し後藤肇の行動が、後前あとさき見ずの乱暴で、其乱暴が生得うまれつきで、そして、果して真に困ツちまふものならばだね、忠志君の鼠賊根性はどうだ。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
痛快つうくわいだ! ……よろしい、おにちまひなさい、と景気けいひをつけて、ふとつたやつを、こんがりと南京なんきん中皿ちうざら装込もりこむだのを、わたしをつけて、大事だいじむしつて、はしふくめたんですが
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
とほくへちまつてうするつもり?』と、おなうろこ友達ともだちつた。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
人を入て別話わかればなしを持出したから、あたしゃもう踏んだりたりの目に逢わされて、口惜くやしくッて口惜しくッて、何だかもうカッと逆上のぼせッちまって
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
『森川さんの憎いツたらありやしない。那麽あんなに乱暴しなくたつていいのに、到頭「声きく時」を裂いツちまつた。……』
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「さっさと顔を洗っちまわないか。新聞なんざ後でも読めるってば。毎朝々々一々他人におこされて散々原さんざッぱら世話を焼かせていゝ気になってる。もう何時だと思う。十時じゃないか。」
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「またはなりますね……澤山たんとうなさい、中屋なかや小僧こぞうちまふから……」
大阪まで (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
実際困ツちまふんだ。君自身ぢや痛快だツたツて云ふが、然し、免職になる様な事を仕出かす者にや、まあ誰だツて同情せんよ。それで此方こつちへ来るにしてもだ。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
可哀そうだなあ……ぼかぁ学校なんぞへきたか無いンだけど……かないと、阿父おとっさんがポチをてッちまうッて言うもんだから、それでシヨウがないからくンだけども……
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
ばあさん、また豆府とうふか。そいつをはせるとちまふぞ。」で、かねてこのみの長船をさふねさやはらつて、階子段はしごだんうへ踏鳴ふみならしたと……御自分ごじぶんではなさらなかつたが、當時たうじのおともだちもよくはなすし
湯どうふ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「何だかつかちまいそうだナ。」
The Affair of Two Watches (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
屹度抜いて上げませうと思つて待つてると、信吾さんに札が無くなつて、貴君あなたが「むべ山」と「流れもあへぬ」を信吾さんへやつたでせう? 私厭になつちまひましたよ。ホホヽヽ。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
加之しかも一旦貰った女房は去るなと言うでないか? 女房を持つのが堕落なら、何故一念発起して赤の他人になッちまえといわぬ。一生離れるなとは如何どういう理由わけだ? 分らんじゃないか?
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
「……冷藏庫れいざうこに、紅茶こうちやがあるだらう……なんかつて、あきれつちまひますわ。」
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
こんな、さびしいときの、可恐こはいものにはね、よろひなんかたつてかなはないや……むかつてきや、きえちまふんだもの……これからふゆ中頃なかごろると、のきしたちかるつてさ、あの雪女郎ゆきぢよらうたいなもんだから
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
『二十三で未だ其気なんだから困ツちまうよ。』
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
「こんな、さびしい時の、可恐こわいものにはね、鎧なんか着たって叶わないや……向って行きゃ、きえちまうんだもの……これから冬の中頃になると、軒の下へ近く来るってさ、あの雪女郎ゆきじょろう見たいなもんだから、」
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ちまへ! 眷属等けんぞくども。」
二世の契 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)