“をはん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
50.0%
50.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
此物語に引き入れらるゝおそれなく、詩趣ゆたかなる四圍あたり光景ありさまは、十分に我心胸に徹して、平生の苦辛はこれによりて全く排せられをはんぬ。
わが情はいと高くいと深くして、われ若し姫を獲たらんには、此世の中には最早何の欲望をも殘さゞりしならん。さるを姫は我を棄てゝ渠を取りたり。我黄金こがねなす夢は一旦にして塵芥となりをはんぬ。
ここに於てか電火ひらめき、万雷はためき、人類に対する痛罵つうばあたか薬綫やくせんの爆発する如く、所謂いはゆる「不感無覚」の墻壁しようへきを破りをはんぬ。
海潮音 (新字旧仮名) / 上田敏(著)