いけ)” の例文
お浦「オット爾はいけません、此の鍵は私が拾ったのだから、真の持主が現われるまで私が預ります、誰にも渡しません」
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
失わず「御笑談ごじょうだんさるな私しが何をしました」目科は肩をそびやかして「これ/\今と成て仮忘とぼけてもいけないよ、其方が一昨夜梅五郎老人を殺し其家を出て行く所を ...
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
夫も宿所の二階から一足も外へ蹈出さずに探り究めたのです(荻)夫では先ず名前から云うが好い(大)イエ名前をさきいって仕舞ては貴方が終りまできかぬからいけません先ずお聞なさい
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
お紺や未だ知るいが用心せねばいけないよ東京へ来たよ、親指が、私もアノ儘世話に成て居て此通り東京までつれられて来たがの、今でもお前に大残りに残て居るよ未練がサ、親指は
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
長官このを御覧なさい是はアノ死人が右の手に握って居たのですよ(荻)オヤ貴公もそれを持て居るか谷間田も昨日一本の髪を持て居たが(大)イエいけません谷間田より私しが先へ見附たのです
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
まるで身体の大きい赤坊です、声を放ッて泣て居ます目「れ行て見よう、だがおれの逢て居る間、外で物音をさせてはいけないよ」と注意を与え目科は先ず抜足して牢の所に寄りひそかに内を窺い見る
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
目科は此店の女主人じょしゅじんに向い有らゆる形の傘を出させそれいけぬ是も気に叶わずとて半時間ほども素見ひやかしたる末、ついに明朝見本を届くる故其見本通りあらたに作り貰う事にせんと云いて、此店を起出たちいでたり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)