おは)” の例文
既に文書したゝおはりし篠田は、今や聖書ひもときて、就寝前の祈祷きたうを捧げんとしつゝありしなり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
大食の習慣しふかん今日にいたりても未だ全くきうふくせざるなり、食事おはればれいにより鹽原巡査の落語らくごあり、衆拍手して之をく、為めにらうなぐさめて横臥わうぐわすれば一天すみの如く、雨滴うてき点々てん/\木葉を乱打らんだし来る
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
人夫中の一人喜作なるもの両三日前より屡々しば/\病の為めにくるしみ、一行も大に憂慮いうりよせしが、文珠岩を発見はつけんするやいなただちに再拝してめし一椀、鰹節一本とを捧呈ほうていし、祈祷きとうときうつおはりてかたじけく其飯をきつ
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
屋内酒樽さけだるのあるあらばきはめてめうなれども、若し之なくんば草臥くたびぞんなりと、つひに帰路をりて戸倉にいたるにけつす、一帯の白砂はくさおはれば路は戸倉峠につらなる、峠のたかさ凡そ六千呎、路幅みちはばわづかに一尺
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)