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了
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おは
既に文書
認め
了りし篠田は、今や聖書
繙きて、就寝前の
祈祷を捧げんとしつゝありしなり
大食の
習慣今日に
至りても未だ全く
旧に
復せざるなり、食事
了れば
例により鹽原巡査の
落語あり、衆拍手して之を
聞く、為めに
労を
慰めて
横臥すれば一天
墨の如く、
雨滴点々木葉を
乱打し来る
人夫中の一人喜作なるもの両三日前より
屡々病の為めに
困み、一行も大に
憂慮せしが、文珠岩を
発見するや
否直ちに再拝して
飯一椀、鰹節一本とを
捧呈し、
祈祷に
時を
移し
了りて
忝く其飯を
喫す
屋内
酒樽のあるあらば
極めて
妙なれども、若し之なくんば
草臥れ
損なりと、
遂に帰路を
取りて戸倉に
至るに
决す、一帯の
白砂過ぎ
了れば路は戸倉峠に
連なる、峠の
高さ凡そ六千呎、
路幅僅かに一尺