さと)” の例文
亨一の歸りを出迎へたとき、その推想があたつて居ることをさとつた。そして亨一の心中を想ひやつて氣の毒に思ふ心のみが先に立つて居た。
計画 (旧字旧仮名) / 平出修(著)
その僕これをあやしみひそかにその被いを開くと、皿上に白蛇あり、一口むるとたちまち雀の語を解し得たので、王の一切智の出所をさとったという。
教会外の人にしてかえって余の真意を諒察するものあるを見て、余は天父の慈悲はなお多量に未信徒社会に存するをさとれり
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
例のブーランゼー氏にただすと、書物に出た図はもちろん絵虚事えそらごとだと答えられたから、予もなるほどことごとく図を信ずるは、図なきにしかずとさとった。
すず子はほぼ事の結果を推測して居た。亨一の帰りを出迎へたとき、その推想があたつて居ることをさとつた。そして亨一の心中を想ひやつて気の毒に思ふ心のみが先に立つて居た。
計画 (新字旧仮名) / 平出修(著)
ああ余は死の学理をしれり、また心霊上その価値をさとれり、しかれどもその深さ、痛さ、かなしさ、くるしさはその寒冷なる手が余の愛するものの身にきたり、余の連夜熱血をそそぎて捧げし祈祷をもかえりみず
基督信徒のなぐさめ (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
これを見て予は書物はむやみに信ぜられぬもの、活動の観察はむつかしい事とさとった次第である。
支那で麒麟きりんは五彩を具うなどいうもこんな事から起ったらしく、かかる異色の畜類を見てその人為に出るをさとらぬ人々は、必ず紺青色の馬も自然に存在すと信じたであろう。
亀よわれ汝が足捷の術に精進せるをさとると言ってラサル樹に留まって休んだとある。
師子まず手で虎を打ち汝は何事も我に勝れりと説けりやと問うと、虎さては野干が我らを闘わすつもりとさとり、我かつてかかる言を説かず、我らを離間せる者を除くべしとて野干を打ち殺したと出づ