“滅入込”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
めいりこ71.4%
めりこ28.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼は伯母が後でかう呟いて身も世もあらず滅入込めいりこんでゐる様を想像して、心から気の毒に思ひ乍らも、をかしくなつて独り笑つてゐた。
まったくだね、股引ももひきの裾をぐい、と端折はしょった処は豪勢だが、下腹がこけて、どんつくのおしに打たれて、猫背にへたへたと滅入込めいりこんで、へそからおとがいが生えたようです。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
……と背の低いのが、滅入込めりこみそうに、おおき仮髪かつらうなじすくめ、ひッつりそうなこぶしを二つ、耳の処へおどすがごとく、張肱はりひじに、しっかと握って、腰をくなくなと、抜足差足。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
藁草履わらぞうり引摺ひきずって、いきおいの無さはほこり立てず、地の底に滅入込めりこむようにして、正面から辿たどって来て、ここへ休もうとしたらしかったが、目ももううとくて、近寄るまで、心着かなんだろう。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)