滅入込めりこ)” の例文
……と背の低いのが、滅入込めりこみそうに、おおき仮髪かつらうなじすくめ、ひッつりそうなこぶしを二つ、耳の処へおどすがごとく、張肱はりひじに、しっかと握って、腰をくなくなと、抜足差足。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
藁草履わらぞうり引摺ひきずって、いきおいの無さはほこり立てず、地の底に滅入込めりこむようにして、正面から辿たどって来て、ここへ休もうとしたらしかったが、目ももううとくて、近寄るまで、心着かなんだろう。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)