ててら)” の例文
おかみさんの肌抜ぎもとがめなければ、となりのお父さんのててら一つなのも当り前なのだ、真に天真爛漫てんしんらんまん、更けるほど話ははずむ。
『男、ててらに、女、二布ふたの』という歌の文句のとおり、一日中、細紐一本でいて、体面をつくろうことのいらぬ庶民生活の気安さを、心いくまでりいれていたのだった。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)