)” の例文
旧字:
いつまでも、お帰んなさいませんし、それだし、あの、一度おったんですから、姉さんは寝衣ねまきでしょうのに、どうなすったしら。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「これでは、いかに何でも、おれないでしょう。あしたは、ほかの旅籠はたごかわりましょう。毎夜ですから、寝不足になりますよ」
黒田如水 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「あら、そうでしたの? でも、あまり考えごとなすっちゃ、おからだにさわりますわ。少しおりになっては……」
暗黒星 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「おっていらっしゃいましこの寝台へ。……そうして誰が参っても、このきれで顔を隠し、じっと黙っておいで遊ばせ。……すぐに帰って参ります」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「あの、お風呂をわかしてございますから、一風呂おびになっておりなさってはいかがでございましょうか」
地上:地に潜むもの (新字新仮名) / 島田清次郎(著)
「それではおいとまを致します。ちよつと御挨拶だけ致して参りたいのですから、何方どちらにおつておいでですか……」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
早く、取って差上げた村の宿屋へおいでになって、おって下さいまし。いつでもそうしておいでては身体にお毒ですわ。あしたは、もっとゆっくり、これに就てのお話も出来ましょうから
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「気味が悪いでしょうけれども、少しそこにおっていらっしゃいよ。」
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
坊ちやんはまだ蚊帳の中でよくおつてお出でになる。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
「お嬢さん、よくおっていらっしゃいますね」
大菩薩峠:27 鈴慕の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
赤子ねんねのみんなはいまおる。
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
てお
野口雨情民謡叢書 第一篇 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
我儘わがままばかり、おってらっしゃったのを、こんな処まで連れて来て置いて、すわってお休みなさることさえ出来ないんだよ。
木精(三尺角拾遺) (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「まあ、おっているなら、掻巻かいまきでも持って来てさし上げましたのに。……お風邪を引きやしませんか」
春の雁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「早苗さんはなにも知らずに、よくおってですわね。でも岩瀬さんは、どうして起きていらっしゃらないのでしょう。こんな場合に、ちとのん気すぎるようですわ」
黒蜥蜴 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
ったままで。どうせそのお体では、すぐにご出立は出来ますまい。むさくるしい所ではございますが、わたしの家で、二、三日ご逗留し、ご養生なさいませ。いえいえご遠慮には及びませぬ。
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「すみません。あれからずっとおっていらして。」
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「よく、おっておいであそばしました」
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
るひつじをみなぬらす。
まざあ・ぐうす (新字新仮名) / 作者不詳(著)
「どうぞまあ、お医者様を内へお呼び申すことにして、あなたはおって、何にもしないでいらっしゃるようにしたいものでございますね。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お連れ様は、たいそうよくおりでございますね、おや、朝飯あさはんもあがっていらッしゃいませんようで」
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日当ひあたりいゝんですけれど、六でふのね、水晶すゐしやうのやうなお部屋へやに、羽二重はぶたへ小掻巻こかいまきけて、えさうにおつてゝ、おいろなんぞ、ゆきとも、たまとも、そりや透通すきとほるやうですよ。
続銀鼎 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「おくるしいんですか。え、おれませんか。上の着衣ものなど、お脱ぎになっては」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お客はお一人じゃ、ゆっくり療治してあげておくれ。それなりにおったら、お泊め申そう。」
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お兄上さま。奥へ臥床ふしどをのべておきました。おり遊ばしてはいかがですか」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
でもな、おります時分には時間になるで静まりましょう。どうぞ御辛抱なさいまして。
歌行灯 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「おつかれとみえ、お茶屋のうちで、おり遊ばしていらっしゃいます」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「船の中には何とおるぞ、とまを敷寝に、苫を敷寝に楫枕かじまくら、楫枕。」
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「あそこで、おっておしまいなさいましたよ」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「なかなかおれなかったのでございまするか」
「まだ、おってです。」
売色鴨南蛮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「お侍様、おれないと見えますのねえ」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やっとおりになりましたね」
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)