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しん
ふりがな文庫
“
寝
(
しん
)” の例文
旧字:
寢
こんな話でその夜は
寝
(
しん
)
に
就
(
つ
)
きましたが、戦争と聞いては何んとなく気味悪く、また威勢の
好
(
よ
)
いことのようにも思われて心は
躍
(
おど
)
る。
幕末維新懐古談:19 上野戦争当時のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
ともしらぬ一同は、その日も帰らぬ源三郎を案じながらも、門之丞のことなどあれこれと話しあって、その晩は早く
寝
(
しん
)
についた。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
かれこれ三時近くまで働いていたと思いますが、私は先へ失敬してしまったから俊夫君の
寝
(
しん
)
に就いた時間を知りませんでした。
墓地の殺人
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
これを終れば、日記を附ける。次でまた読書する。
倦
(
う
)
めば保を呼んで
棋
(
ご
)
を囲みなどすることもある。
寝
(
しん
)
に就くのは十時である。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
妻の
賈氏
(
こし
)
もいそいそすすめ、李固も何かともてなすので、
盧
(
ろ
)
は自分の小心を
辱
(
は
)
じ、その晩はわれから機嫌を直して
寝
(
しん
)
に就いた。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
それでその頓服を求めまして、夜十二時頃、
寝
(
しん
)
につく時にのんだらしいのです。私はそれより少し前、睡眠剤を大分のみましてとこに入りました。
殺人鬼
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
朕
黎元
(
れいぐわん
)
を
撫育
(
むいく
)
する
事
(
こと
)
梢
(
やや
)
に
年歳
(
とし
)
を経たり。
風化
(
ふうくわ
)
尚
(
なほ
)
壅
(
よう
)
して、
囹圄
(
れいご
)
未
(
いま
)
だ
空
(
むな
)
しからず。
通旦
(
よもすがら
)
寝
(
しん
)
を忘れて
憂労
(
いうらう
)
茲
(
ここ
)
に
在
(
あ
)
り。
頃者
(
このごろ
)
天
(
てん
)
頻
(
しきり
)
に
異
(
い
)
を
見
(
あら
)
はし、地
数
(
しばしば
)
震動す。
大和古寺風物誌
(新字新仮名)
/
亀井勝一郎
(著)
それから数月の後、ある夜のことである。崔は戸を閉じ、
帷
(
とばり
)
を垂れて
寝
(
しん
)
に就くと、夜なかに女の姿が見えなくなった。
中国怪奇小説集:07 白猿伝・其他(唐)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
その夜は、同じ座敷に床を取って貰って、私達は枕を並べて
寝
(
しん
)
についた。でも、二人とも昂奮の為に仲々眠れない。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
古町
(
ふるまち
)
の会津屋旅館へ御投宿。早速一風呂浴びて渓流を耳にしながら杯を傾け、
寝
(
しん
)
に付く前四人して浴場へ志ざす。
本州横断 痛快徒歩旅行
(新字新仮名)
/
押川春浪
、
井沢衣水
(著)
やがて裏手の一室に
這入
(
はい
)
って、
寝
(
しん
)
に
就
(
つ
)
いたが、わたくしは旅のつかれを知りながらなかなか寐つかれなかった。
十九の秋
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
セエラは
寝
(
しん
)
に就く時、また新しい厚い敷蒲団と、大きな羽根枕のあるのを見つけました。昨夜のは、いつの間にかベッキイの寝床に移されていたのでした。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
予が
辞去
(
じきょ
)
の後、先生例の
散歩
(
さんぽ
)
を
試
(
こころ
)
みられ、
黄昏
(
こうこん
)
帰邸
(
きてい
)
、
初夜
(
しょや
)
寝
(
しん
)
に
就
(
つか
)
れんとする際
発病
(
はつびょう
)
、
終
(
つい
)
に
起
(
た
)
たれず。
哀哉
(
かなしいかな
)
。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
独り燈下に
細書
(
さいしょ
)
を
認
(
したた
)
め、ようよう十二時頃書き終りて、今や
寝
(
しん
)
に就かんとするほど、稲垣は帰り来りぬ。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
さて夕食が終わって、私は
寝
(
しん
)
に就く前に、しずかに煙草をふかそうと思って、甲板へ登って行った。
世界怪談名作集:09 北極星号の船長 医学生ジョン・マリスターレーの奇異なる日記よりの抜萃
(新字新仮名)
/
アーサー・コナン・ドイル
(著)
もちろん、安兵衛や勘平も手伝った。で、いよいよ
寝
(
しん
)
につこうとした時、そばに寝ていた勘平が
四十八人目
(新字新仮名)
/
森田草平
(著)
寝
(
しん
)
についてもいうことは
何時
(
いつ
)
もただ一つ、京にのぼり
宮仕
(
みやづかえ
)
して一身を立てなおすことであった。
荻吹く歌
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
其
(
そ
)
の
幼儀
(
ようぎ
)
雑箴
(
ざっしん
)
二十首を読めば、
坐
(
ざ
)
、
立
(
りつ
)
、
行
(
こう
)
、
寝
(
しん
)
より、
言
(
げん
)
、
動
(
どう
)
、
飲
(
いん
)
、
食
(
しょく
)
等に至る、皆道に
違
(
たが
)
わざらんことを欲して、而して実践
躬行底
(
きゅうこうてい
)
より徳を成さんとするの意、看取すべし。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
その夜老人は
平生
(
いつも
)
のように十時
比
(
ごろ
)
から
寝
(
しん
)
に就いたが、夜半になって急に発熱して苦しみはじめた。家族は驚いて薬を
服
(
のま
)
せたり医者を呼んだりしたが、老人の熱は去らなかった。
位牌田
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
宵惑
(
よいまどい
)
の私は例の通り宵の口から寝て了って、いつ
両親
(
りょうしん
)
は
寝
(
しん
)
に就いた事やら、一向知らなかったが、ふと目を覚すと、
有明
(
ありあけ
)
が枕元を
朦朧
(
ぼんやり
)
と照して、
四辺
(
あたり
)
は
微暗
(
ほのぐら
)
く
寂然
(
しん
)
としている中で
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
こうして夜が次第に更け、柏屋でも門へ
閂
(
かんぬき
)
を差した。客も家の者も
寝
(
しん
)
についたらしい。
生死卍巴
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
宇津木兵馬は、あすは
中房
(
なかぶさ
)
の温泉に向けて出立しようと、心をきめて
寝
(
しん
)
につきました。
大菩薩峠:25 みちりやの巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
ところが、その
廿一日
(
にじゅういち
)
の夜には、氏の親戚を初め近隣の人々を集めて、或る場所で自分の琴を聴かした、十時少し前後演奏が終りて、私は同氏の家へ帰って泣菫氏と共に、枕を並べて
寝
(
しん
)
に
就
(
つ
)
いた
二面の箏
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
お登和嬢いよいよ気にかかり「竹や、
和女
(
おまえ
)
は
草臥
(
くたび
)
れたろうから私に構わず寝ておくれ。戸締りは私がするから」と下女をして
寝
(
しん
)
に就かしめその身は
徐
(
しず
)
かに玄関へ出て門口に立ちて
窃
(
ひそか
)
に大原家の様子を
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
人々が
寝
(
しん
)
についてからは、よけいに
寂
(
せき
)
として、かなり離れている白河の水音までが、
淙々
(
そうそう
)
と松風にまじって聞こえてくる。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
愈々
(
いよいよ
)
寝
(
しん
)
につく時が来た。藤次郎は予定通り短刀を要之助の目の前で戸棚にしまった。あとはもうねるばかりである。
夢の殺人
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
「黙られい!
徒
(
いたず
)
らに大言壮語——オッ、そういうお手前は、笠間氏じゃな、うわさによると、お手前は
鎧兜
(
よろいかぶと
)
を着して
寝
(
しん
)
に
就
(
つ
)
かれるということじゃが」
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
常は諸生がおり、僕がおったが、皆新年に
暇
(
いとま
)
を
乞
(
こ
)
うて帰った。この日家人が
寝
(
しん
)
に
就
(
つ
)
いた
後
(
のち
)
、浴室から火が起った。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
天井の高い寒々とした十二畳の座敷、ここには電燈の設備がないので、石油の台ランプを使っているのだが、それも吹き消して
寝
(
しん
)
についた、全くの暗闇である。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その夜お京は兄の部屋で、かなり遅くまで話しこみ、十二時近くなって
寝
(
しん
)
についた。お京はおとなしい性質で、日本式の娘型。
物事
(
ものごと
)
内輪
(
うちわ
)
へ内輪へとひそめ、出しゃばることをひどく嫌った。
剣侠受難
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
今夜もまた二人は床を並べて
寝
(
しん
)
に就きましたが
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
香華
(
こうげ
)
をたむけ、夜更けるまで、家族や弔問客の
読経
(
どきょう
)
の声が絶えなかったが、十二時前後、それらの人々も或は帰り去り、或は
寝
(
しん
)
につき、電燈を消した真暗な広い部屋に
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
もう
寝
(
しん
)
に就こうかと思っていると、あわただしく用人がやって来て、もちの木坂の大迫様から
仲間
(
ちゅうげん
)
仁平が使いに来たというので、早速、すでに閉めた雨戸を一まい開けさせ
魔像:新版大岡政談
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「いや、わしが納屋へ行こう。そしてな玄蕃、これはそちだけに申しつける。誰をも納屋へ近づけてはならん。……また、書院の
燭
(
しょく
)
は消して、道誉は早や
寝
(
しん
)
についた
態
(
てい
)
にいたしておけよ」
私本太平記:05 世の辻の帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
鳰鳥は若衆を送り出すと、心しずかにただ一人、
褥
(
しとね
)
を冠って
寝
(
しん
)
に
就
(
つ
)
いた。とすぐ、彼女を死が襲った——これまでも彼女をよく襲った、短かい仮死の状態が、眠りかけた彼女に襲いかかった。
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
一風呂浴びると共に
寝
(
しん
)
に就いてしまいました。
大菩薩峠:39 京の夢おう坂の夢の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
警視庁捜査一課長恒川警部は、ちょうど寝入りばなを
叩
(
たた
)
き起こされた。役所から帰って、坊やと遊んで、少しばかり読書をして、つい今しがた
寝
(
しん
)
についたばかりであった。
人間豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
夜になって、吉良が
寝
(
しん
)
につく世話をしてしまうと、女は、さっさと自分の部屋へ退って行った。
側女
(
そばめ
)
として来ているのに、そうすることが当然であるような、女の態度だった。
元禄十三年
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
明日の発掘を楽みながら、博士は
寝
(
しん
)
に
就
(
つ
)
こうとした。
木乃伊の耳飾
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
しかも、
寝
(
しん
)
につく時には、四人とも、各自の部屋のドアに、内側から鍵をかけることにした。
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
枕をならべて
眠
(
ね
)
ている子供たちをみてやったのち、お久美は黙って、また
寝
(
しん
)
に就いた。
あの顔
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
宮家ご一行は
寝
(
しん
)
につかれたらしい。
あさひの鎧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
そのまま
寝
(
しん
)
についたが、翌日はうらうらと暖かい日ざしを味方に、まさか真昼間怪しい奴が庭に隠れていることもあるまいと、川手氏は昨夜の謎を確めるために庭へ降りて行った。
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
そして、その晩
寝
(
しん
)
につくまでは別段の異変も起らなかったのだが……
悪魔の紋章
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
寝
常用漢字
中学
部首:⼧
13画
“寝”を含む語句
寝床
寝台
寝室
御寝
寝衣
寝転
寝所
就寝
仮寝
寝間着
寝覚
寝巻
寝返
寝椅子
寝込
寝静
率寝
寝惚
転寝
昼寝
...