“との”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:トノ
語句割合
殿83.3%
主君9.0%
領主1.3%
主候1.3%
君主1.3%
君侯1.3%
1.3%
富野1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
相手に種々と相談さうだんに及びけるに兩人もこれまさしく殿とのの御考への通り伴建部と申し合せお島の手引にうたがひなしとの事ゆゑ夫れよりお島を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
どのように間違うた尾鰭おひれが付いて、どのような片手落の御沙汰が大公儀から下ろうやら知れぬ。それが主君とのの御癇癖に触れる。
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
かくてたがひにいつっつのをりから、おひ/\多人數たにんず馳加はせくははり、左右さいふわかれてたゝかところへ、領主とのえさせられ、左右さうなく引別ひきわけ相成あひなりました。
これさ/\、はぢぢゃ/\、亂暴らんばうをすな? チッバルト、マーキューシオー、領主との嚴命げんめいではいか、ヹローナの街頭まちなか鬪諍たゝかひをしてはならぬはずぢゃ。これさ、チッバルト! マーキューシオー!
ようや主候とのの心中を察することが出来たと見えて、膝のり出したのは石川六四郎だった。
十万石の怪談 (新字新仮名) / 佐々木味津三(著)
りながら、君主との無禮なめなるにはさふらへども、ひめ殿との夫人ふじんとならせたまふまへに、餘所よそをつとさふらふぞや。
妙齢 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
「はっ……。なれども、いかに仰せられましょうと、君侯とののお目をかすめ奉って、左様な道ならぬ不義は霧島京弥、命にかけても相成りませぬ。それにまた——」
死せざるにまさる恥があるということの分別はいずれも人後じんごに落ちないものであったから、彼等は死を争おうとも、それに異議をとのうるものが一人もあるべきはずがない。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
木曾川石岩せきがん映山紅えいざんこう盛に開く。矮蟠あいはんすることうゝるがごとし。和合酒わがふしゆを買ふ。(酒店和合屋木工右衛門もくゑもんなづく。)二里半三富野との駅。一里半妻籠駅。二里馬籠駅。扇屋兵次郎家に宿す。苦熱たへがたし。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)