かゝり)” の例文
歩行あるきうち先夜せんや伊勢屋の前へまゐかゝりし時腹痛ふくつうにて難儀仕なんぎつかまつり夜更なれども詮方せんかたなく伊勢屋の戸をたゝき湯をもらはんとぞんじ候處一かうに戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
で取りかゝりからもう熱がめる、きようが無くなる、しんから嫌氣いやけして了ツた。然うなると、幾ら努力したと謂ツて、あがいたと謂ツて、何のやくにも立ちはしない。で、たゞ狼狽する、えうするに意氣鎖沈せうちんだ。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
あけ其許そのもとは何用有て此の夜更よふけに來られしや云ふに彼女私しは吉原より參りし者なり吉之助樣にお目にかゝりたしと云ふ聲初瀬留なれば吉之助は奧より走出はしりいで大いに驚き如何して夜中やちう遙々はる/″\の處を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
見んとするに浪人者は最早もはや日暮方ひぐれがたなれば徐々そろ/\仕舞しまひて歸る樣子ゆゑ長八はあとつきて行けるに下谷山崎町なる油屋といふ暖簾のれんかゝりうら這入はひりしかば長八も同じくつゞいて這入見るに九尺二間如何にも麁末そまつなる浪宅らうたくなるにぞ長八は内のてい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)