“一宇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いちう89.5%
ひとむね5.3%
イチウ5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
躑躅つつじさき城館しろたちのうちに一宇いちう伽藍がらんがある。毘沙門堂びしゃもんどうといって、信玄入道の禅室でもあり、政務所でもあり、時には軍議の場所ともなった。
新書太閤記:04 第四分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
はるか突当り——崖を左へけた離れ座敷、確か一宇ひとむね別になって根太ねだの高いのがありました、……そこの障子が、薄い色硝子いろがらすめたように、ぼうとこう鶏卵色たまごいろになった、あかりけたものらしい。
星女郎 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
イヨイヨ時刻到来シテ、松明タイマツノ火ニ西風来ツテ吹キカケ余多アマタ伽藍ガラン一宇イチウモ残ラズ、夜昼三日、黒雲トナツテ焼ケ終ンヌ……。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)