かかり)” の例文
位階に従って、まず高貴な人から、第一を蹴り、以下順々に、二座三座四座と、八本の“かかりノ木”に備えている敵手へ蹴渡してゆくのである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まちの槍にはかかりの槍が含んでいるのであります。その両面には磐石ばんじゃくの重きに当る心がこもっているのであります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
すると今、一と競技終ったらしく、次のどよめきの後から、端王の姿が“かかりノ木”の下に立つのが見えた。——見るからに軽快な鞠装束まりしょうぞくである。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
槍を挙げて、あ、と言って散指さんしの形をして見せました。やや遠く離れて槍を抱えては摩醯首羅まけいしゅらの形をして見せました。またそろそろとかかりの槍を入れたその眼は、難陀竜王なんだりゅうおうの眼のように光ります。
大菩薩峠:13 如法闇夜の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)