“せみしぐれ”の漢字の書き方と例文
語句割合
蝉時雨100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
椰子の葉を叩くスコールの如く、麺麭パンの樹に鳴く蝉時雨せみしぐれの如く、環礁の外に荒れ狂う怒濤の如く、ありとあらゆる罵詈雑言ばりぞうごんが夫の上に降り注いだ。
南島譚:02 夫婦 (新字新仮名) / 中島敦(著)
滝かと思う蝉時雨せみしぐれ。光る雨、輝くの葉、この炎天の下蔭は、あたかも稲妻にこもる穴に似て、ものすごいまで寂寞ひっそりした。
伯爵の釵 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つい一年前までは、この辺は墓原や成金壁なぞで埋められていて、夏なぞはせんだんの樹の蝉時雨せみしぐれの風情があるという、かなり淋しいところであった。