“喧(けたた)” の例文
船をたずねて波止場(はとば)へ行く道を人に尋ねると、人はよく教えてくれましたから、お君は、その通りに行こうとする時分に、後ろから喧(けたた)ましい蹄(ひづめ)の音。
大菩薩峠:07 東海道の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
よかった、予知したことがなによりだった。と、まず一安心となった。その翌朝のことだ。とつぜん一人のエスキモーの、喧(けたた)ましい声で起されたのである。
人外魔境:08 遊魂境 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
喧(けたた)ましい警察自動車の機関(エンジン)の響がしていたのですが、その召使(バトラー)は、僕の靴が偶然軋(きし)って微かな音を立てると、何故か先に歩んでいるにもかかわらず、竦(すく)んだような形で、身体を横に避けるのです。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
この時、見物席の方で罵(ののし)り噪(さわ)ぐ声がここまで喧(けたた)ましく響いて来る。