つね)” の例文
新字:
令史れいしいへ駿馬しゆんめあり。無類むるゐ逸物いちもつなり。つね愛矜あいきんして芻秣まぐさし、しきりまめましむれども、やせつかれて骨立こつりつはなはだし。擧家きよかこれをあやしみぬ。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
潔癖を持つ事は時に孤独こどくさみしさが身をむ事もあるが、つねに、もののイージーな部分にまみれないではっきりとして客観的にものを観察出来て
すぐれた智慧をもっている菩薩ひとは、いまし生死をつくすに至るまで、つねに衆生の利益りやくをなして、しかも涅槃におもむかず」
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
およそこの倭建の命、國けに𢌞りでましし時、久米くめあたへが祖、名は七拳脛つかはぎつね膳夫かしはでとして御伴仕へまつりき。
彼我に曰ふ、汝の才何ぞそのつねをはなれてかく迷ふや、またさにあらずば汝の心いづこをか視る 七六—七八
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
かしはいとすぎ桂など生ひ茂りて、四時緑なる天を戴けり。昔も今も、羅馬人と外國人と、つねに來り遊ぶ處なり。
しかれども白晝はくちう横行わうぎやう惡魔あくまは、四時しじつねものにはあらず。あるひしうへだててかへり、あるひつきをおきてきたる。そのとききたとき進退しんたいつねすこぶなり。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この時我は悲しめり、わがみしものに心をむくれば今また憂へ、才を制することつねを超ゆ 一九—二一
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
悖戻ぼつれいの情は一時我心上に起り來りて、自信自重の意識は緊縛をわがつねの心に加へ、此緊縛の中よりして、増上慢の鬼は昂然として頭をもたげ、我をして平生我に師たる俗客を脚底に見下さしめ