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平常
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ふりがな文庫
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平常
(
つね
)” の例文
答
平常
(
つね
)
カラ私ノ愛シテ居ル女ヲ苦シメテ居タ事ガ実ニ憎イノデス。シカシ私ガ一番タマラナイノハ清三ガ道子ノ夫ダトイウ事デス。
彼が殺したか
(新字新仮名)
/
浜尾四郎
(著)
平常
(
つね
)
の
部屋
(
へや
)
に
倚
(
よ
)
りかゝる
文机
(
ふづくゑ
)
の
湖月抄
(
こげつせう
)
こてふの
卷
(
まき
)
の
果敢
(
はか
)
なく
覺
(
さ
)
めて
又
(
また
)
思
(
おも
)
ひそふ
一睡
(
いつすゐ
)
の
夢
(
ゆめ
)
夕日
(
ゆふひ
)
かたぶく
窓
(
まど
)
の
簾
(
すだれ
)
風
(
かぜ
)
にあほれる
音
(
おと
)
も
淋
(
さび
)
し。
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平常
(
つね
)
は六碗七碗を快う
喫
(
く
)
いしもわずかに一碗二碗で終え、茶ばかりかえって多く飲むも、心に
不悦
(
まずさ
)
のある人の免れがたき
慣例
(
ならい
)
なり。
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「三月になります。」とか「なるわよ。」とか言切ったら
平常
(
つね
)
の談話に聞えたのであろうが、ネエと長く引いた声は
咏嘆
(
えいたん
)
の
音
(
おん
)
というよりも
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
含みて夫は
職人衆
(
しよくにんしう
)
の
符號
(
ふちやう
)
にて其なげしと云は
下帶
(
したおび
)
の事なりくぢらとは
鐵釘
(
かなくぎ
)
の事
股引
(
もゝひき
)
をば
蛸
(
たこ
)
と云ふ是れ皆職人衆の
平常
(
つね
)
に云ふ
符號詞
(
ふちやうことば
)
なりと能々
譯
(
わけ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
多「誠に
有難
(
ありがた
)
え、
平常
(
つね
)
こんな事はねえ、どんな重い荷い附けても悪い顔をする馬ではがんせん、アレ又止った、青々」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ハテなと思い眼をすえて
熟視
(
よくみ
)
ると、三十くらいで
細面
(
ほそおもて
)
の
痩
(
やせ
)
た年増が、赤児に乳房をふくませ、
悄然
(
しょうぜん
)
として、乳を
呑
(
のま
)
せていたのである、この客
平常
(
つね
)
は
威張屋
(
いばりや
)
だが余程臆病だと見え
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
川島家にては
平常
(
つね
)
にも恐ろしき隠居が
疳癪
(
かんしゃく
)
の近ごろはまたひた燃えに燃えて、慣れしおんなばらも幾たびか手荷物をしまいかける
間
(
ま
)
に、朝鮮事起こりて
豊島牙山
(
ほうとうがざん
)
の号外は飛びぬ。
小説 不如帰
(新字新仮名)
/
徳冨蘆花
(著)
姿
平常
(
つね
)
にまさり
最終
(
をはり
)
の時にもまさるばかり、その目清くたのしげなりき 五五—五七
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
小言
(
こごと
)
がましき時にあたって慈愛の情の
平常
(
つね
)
に
勝
(
まさ
)
り病子を看護するを見たり、爾無限の慈母も余の
痛
(
いた
)
める時に余を愛する余が平常無事の時の比にあらざるなり、余の愛するもの失してのち
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
母は
終
(
つい
)
に、それ故と申すでもござりますまい? なれども、
平常
(
つね
)
から病身の身とて、遂に全く床に就く事となりまして、程なく私の事をいひいひはかなくも、私が十九の秋
朝
(
あした
)
の露と消へ失せました。
こわれ指環
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
事に臨みては母ありとも思ふべからず、家ありとも思ふべからず、取るべき道の
重大
(
おほき
)
なるに寄りて進み給へと、これは
平常
(
つね
)
の詞なりけり。
花ごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平常
(
つね
)
は六碗七碗を快う
喫
(
く
)
ひしも僅に一碗二碗で終へ、茶ばかり却つて多く飲むも、心に
不悦
(
まづさ
)
の有る人の免れ難き
慣例
(
ならひ
)
なり。
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
聞
(
きゝ
)
吉兵衞不
審
(
しん
)
に思ひ御
意
(
い
)
の如く
幼少
(
えうせう
)
の時
不※
(
ふと
)
怪我
(
けが
)
を致せしが其
痕
(
あと
)
が今に
殘
(
のこ
)
り在しを娘が人
相
(
さう
)
に
係
(
かゝ
)
ると人々が申せしとて
平常
(
つね
)
に苦勞致し
居
(
をり
)
しが此度
斯樣
(
かやう
)
の死を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
此お供を嬉しがるは
平常
(
つね
)
のこと、父母なき後は唯一人の大切な人が、病ひの床に見舞ふ事もせで、物見遊山に歩くべき身ならず
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
砕けた源太が
談話
(
はなし
)
ぶり
捌
(
さば
)
けたお吉が
接待
(
とりなし
)
ぶりにいつしか遠慮も打ち忘れ、
擬
(
さ
)
されて
辞
(
いな
)
まず受けてはつと
干
(
ほ
)
し
酒盞
(
さかずき
)
の数重ぬるままに、
平常
(
つね
)
から可愛らしき
紅
(
あか
)
ら顔を一層みずみずと
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
守り
爾
(
しか
)
も天然の大力ありと雖も是を
平常
(
つね
)
に顯さず仁義を專らになし強きを
挫
(
くぢ
)
き弱きを助け金銀を
惜
(
をし
)
まず人の
難儀
(
なんぎ
)
を救ふ此故に大岡殿の
吹擧
(
すゐきよ
)
に預りて將軍家の
御旗本
(
おはたもと
)
となり領地五百石を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
平常
(
つね
)
の美登利ならば信如が難義の體を指さして、あれ/\彼の意久地なしと笑ふて笑ふて笑ひ拔いて、言ひたいまゝの惡まれ口
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
来む二十一日の日曜には舟を
虚
(
むなし
)
うして吾等を待てと堅く約束を結ばしめつ、ひたすらに其日の至るを心楽みにして、
平常
(
つね
)
のおのれが為すべき
業
(
わざ
)
を為しながら
一日
(
ひとひ
)
〻〻と日を送りけり。
鼠頭魚釣り
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
平常
(
つね
)
の美登利ならば信如が難義の
体
(
てい
)
を指さして、あれあれあの意久地なしと笑ふて笑ふて笑ひ抜いて、言ひたいままの
悪
(
にく
)
まれ口
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
清吉酔ふては
撿束
(
しまり
)
なくなり、砕けた源太が
談話
(
はなし
)
ぶり
捌
(
さば
)
けたお吉が
接待
(
とりなし
)
ぶりに何時しか遠慮も打忘れ、
擬
(
さ
)
されて
辞
(
いな
)
まず受けては突と干し
酒盞
(
さかづき
)
の数重ぬるまゝに、
平常
(
つね
)
から可愛らしき紅ら顔を一層
沢〻
(
みづ/\
)
と
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
平常
(
つね
)
の
美登利
(
みどり
)
ならば
信如
(
しんによ
)
が
難義
(
なんぎ
)
の
體
(
てい
)
を
指
(
ゆび
)
さして、あれ/\
彼
(
あ
)
の
意久地
(
いくぢ
)
なしと
笑
(
わら
)
ふて
笑
(
わら
)
ふて
笑
(
わら
)
ひ
拔
(
ぬ
)
いて、
言
(
い
)
ひたいまゝの
惡
(
にく
)
まれ
口
(
ぐち
)
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いよ/\離縁するとでも言はれて來たのかと落ついて問ふに、良人は一昨日より家へとては歸られませぬ、五日六日と家を明けるは
平常
(
つね
)
の事
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いよいよ離縁するとでも言はれて来たのかと落ついて問ふに、
良人
(
おつと
)
は
一昨日
(
おととひ
)
より家へとては帰られませぬ、五日六日と家を明けるは
平常
(
つね
)
の事
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
いよ/\
離縁
(
りゑん
)
するとでも
言
(
い
)
はれて
來
(
き
)
たのかと
落
(
おち
)
ついて
問
(
と
)
ふに、
良人
(
おつと
)
は
一昨日
(
おとゝひ
)
より
家
(
うち
)
へとては
歸
(
かへ
)
られませぬ、五
日
(
か
)
六
日
(
か
)
と
家
(
うち
)
を
明
(
あ
)
けるは
平常
(
つね
)
の
事
(
こと
)
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其後は物ごとに念を入れて、遂ひに
麁想
(
そさう
)
をせぬやうに成りぬ、世間に下女つかふ人も多けれど、山村ほど下女の替る家は有るまじ、月に二人は
平常
(
つね
)
の事
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
其後
(
そのご
)
は
物
(
もの
)
ごとに
念
(
ねん
)
を
入
(
い
)
れて、
遂
(
つ
)
ひに
麁想
(
そそう
)
をせぬやうに
成
(
な
)
りぬ、
世間
(
せけん
)
に
下女
(
げぢよ
)
つかふ
人
(
ひと
)
も
多
(
おほ
)
けれど、
山村
(
やまむら
)
ほど
下女
(
げぢよ
)
の
替
(
かは
)
る
家
(
いゑ
)
は
有
(
あ
)
るまじ、
月
(
つき
)
に
二人
(
ふたり
)
は
平常
(
つね
)
の
事
(
こと
)
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その
後
(
ご
)
は物ごとに念を入れて、
遂
(
つ
)
ひに
麁想
(
そさう
)
をせぬやうに成りぬ、世間に下女つかふ人も多けれど、
山村
(
やまむら
)
ほど下女の替る家は有るまじ、月に二人は
平常
(
つね
)
の事
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
おぬひ
惘
(
あき
)
れて貴君は其樣の事正氣で仰しやりますか、
平常
(
つね
)
はやさしい方と存じましたに、お作樣に頓死しろとは蔭ながらの嘘にしろあんまりでござります
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
おぬひ
惘
(
あき
)
れて
貴君
(
あなた
)
は
其樣
(
そのやう
)
の
事
(
こと
)
正氣
(
せうき
)
で
仰
(
おつ
)
しやりますか、
平常
(
つね
)
はやさしい
方
(
かた
)
と
存
(
ぞん
)
じましたに、お
作樣
(
さくさま
)
に
頓死
(
とんし
)
しろとは
蔭
(
かげ
)
ながらの
嘘
(
うそ
)
にしろあんまりでござります
ゆく雲
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
詫
(
わび
)
るやうに
慰
(
なぐさ
)
められて、
夫
(
それ
)
でもと
椀白
(
わんぱく
)
も
言
(
い
)
へず、しくしく
泣
(
な
)
きに
平常
(
つね
)
の
元氣
(
げんき
)
なくなりて、
悄然
(
しよんぼり
)
とせし
姿
(
すがた
)
可憐
(
いぢら
)
し。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
おぬひ
惘
(
あき
)
れて
貴君
(
あなた
)
はその様の事正気で仰しやりますか、
平常
(
つね
)
はやさしい方と存じましたに、お作様に頓死しろとは
蔭
(
かげ
)
ながらの
嘘
(
うそ
)
にしろあんまりでござります
ゆく雲
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
請
(
こ
)
へば
平常
(
つね
)
の
氣
(
き
)
だてに
有
(
あ
)
るべき
願
(
ねが
)
ひとて
疑
(
うたが
)
ひもなく
運平
(
うんぺい
)
點頭
(
うなづ
)
きて
然
(
さ
)
らば
疾
(
と
)
く
行
(
ゆ
)
きて
疾
(
と
)
くかへれ
病人
(
びやうにん
)
の
處
(
ところ
)
に
長居
(
ながゐ
)
はせぬもの
供
(
とも
)
には
鍋
(
なべ
)
なりと
連
(
つ
)
れて
行
(
ゆ
)
きなされと
氣
(
き
)
を
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
潜りの工合の惡るくして
平常
(
つね
)
さわる處のあれば、
夫
(
そ
)
を直さんとて明けつしめつするほどに、暗をてらして彼方の大路より飛くる車の、
提燈
(
かんばん
)
に
澤瀉
(
をもだか
)
の紋ありしかば
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
珍
(
めづ
)
らしく
家内中
(
うちゞう
)
との
觸
(
ふ
)
れに
成
(
なり
)
けり、
此
(
この
)
お
供
(
とも
)
を
嬉
(
うれ
)
しがるは
平常
(
つね
)
のこと、
父母
(
ちゝはゝ
)
なき
後
(
のち
)
は
唯
(
たゞ
)
一人の
大切
(
たいせつ
)
な
人
(
ひと
)
が、
病
(
やま
)
ひの
床
(
とこ
)
に
見舞
(
みま
)
ふ
事
(
こと
)
もせで、
物見遊山
(
ものみゆさん
)
に
歩
(
ある
)
くべき
身
(
み
)
ならず
大つごもり
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
珍らしく
家内
(
うち
)
中との触れに成けり、このお供を
嬉
(
うれ
)
しがるは
平常
(
つね
)
のこと、
父母
(
ちちはは
)
なき
後
(
のち
)
は唯一人の大切な人が、病ひの床に見舞ふ事もせで、物見
遊山
(
ゆさん
)
に歩くべき身ならず
大つごもり
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平常
(
つね
)
はともあれ
由縁
(
ゆかり
)
ある日はこと更におもひ出されて、まぎらさんとても氣のまぎれぬは今日なり。
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
更
(
ふ
)
けて
軒
(
のき
)
ばに
風鈴
(
ふうりん
)
のおと
淋
(
さび
)
しや、
明日
(
あす
)
は
此音
(
このおと
)
いかに
戀
(
こひ
)
しく、
此軒
(
こののき
)
ばのこと
部屋
(
へや
)
のこと、
取分
(
とりわ
)
けては
甚樣
(
じんさま
)
のこと、
父君
(
ちヽぎみ
)
のこと
母君
(
はヽぎみ
)
のこと、
平常
(
つね
)
は
左
(
さ
)
までならぬ
姉妹
(
しまい
)
のこと
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平常
(
つね
)
は
道理
(
だうり
)
がよく
解
(
わか
)
る
人
(
ひと
)
ではないか、
氣
(
き
)
を
靜
(
しづ
)
めて
考
(
かんが
)
へ
直
(
なほ
)
して
呉
(
く
)
れ、
植村
(
うゑむら
)
の
事
(
こと
)
は
今更
(
いまさら
)
取
(
とり
)
かへされぬ
事
(
こと
)
であるから、
跡
(
あと
)
でも
懇
(
ねんごろ
)
に
吊
(
とぶら
)
つて
遣
(
や
)
れば、お
前
(
まへ
)
が
手
(
て
)
づから
香花
(
かうげ
)
でも
手向
(
たむけ
)
れば
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さりとて立去るでも無しに唯うぢうぢと胸とどろかすは
平常
(
つね
)
の美登利のさまにては無かりき。
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
さりとて
立去
(
たちさ
)
るでも
無
(
な
)
しに
唯
(
たゞ
)
うぢ/\と
胸
(
むね
)
とゞろかすは
平常
(
つね
)
の
美登利
(
みどり
)
のさまにては
無
(
な
)
かりき。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平常
(
つね
)
は道理がよく
了解
(
わか
)
る人では無いか、氣を靜めて考へ直して呉れ、植村の事は今更取かへされぬ事であるから、跡でも懇に
吊
(
ともら
)
つて遣れば、お前が手づから
香花
(
かうはな
)
でも手向れば
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平常
(
つね
)
は道理がよく
了解
(
わか
)
る人では無いか、気を静めて考へ直してくれ、植村の事は今更取かへされぬ事であるから、跡でも
懇
(
ねんごろ
)
に
吊
(
ともら
)
つて遣れば、お前が手づから
香花
(
かうはな
)
でも
手向
(
たむけ
)
れば
うつせみ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
まつりの趣向も我れよりは花を咲かせ、
喧嘩
(
けんくわ
)
に手出しのなりがたき仕組みも有りき、今年又もや負けにならば、誰れだと思ふ横町の
長吉
(
ちようきち
)
だぞと
平常
(
つね
)
の力だては
空
(
から
)
いばりとけなされて
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今年
(
ことし
)
又
(
また
)
もや
負
(
まけ
)
けにならば、
誰
(
だ
)
れだと
思
(
おも
)
ふ
横町
(
よこてう
)
の
長吉
(
ちようきち
)
だぞと
平常
(
つね
)
の
力
(
ちから
)
だては
空
(
から
)
いばりとけなされて、
辧天
(
べんてん
)
ぼりに
水
(
みづ
)
およぎの
折
(
をり
)
も
我
(
わ
)
が
組
(
くみ
)
に
成
(
な
)
る
人
(
ひと
)
は
多
(
おほ
)
かるまじ、
力
(
ちから
)
を
言
(
い
)
はゞ
我
(
わ
)
が
方
(
はう
)
がつよけれど
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
今更の汗
腋
(
わき
)
下を傳へば後悔の念かしらにのぼりて、
平常
(
つね
)
の心の
現
(
あら
)
はれける我れ恥かしく、さても何如なる事をか申たる、お前樣お二人の外に聞かれし人は無きかと裏どへば、佐助大笑ひに笑ひて
暗夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
此邸
(
こゝ
)
の
奧樣
(
おくさま
)
に
何
(
ど
)
うも
能
(
よ
)
く
似
(
に
)
て
居
(
い
)
た
人
(
ひと
)
で
有
(
あ
)
つた、
繼母
(
まゝはゝ
)
で
有
(
あ
)
つたので
平常
(
つね
)
の
我慢
(
がまん
)
が
大底
(
たいてい
)
ではなく、
積
(
つも
)
つて
病死
(
びやうし
)
した
可憐
(
かわいさう
)
な
子
(
こ
)
と
何
(
いづ
)
れ
彼
(
あ
)
の
男
(
をとこ
)
の
事
(
こと
)
で
御座
(
ござ
)
りますから、
眞面目
(
まじめ
)
な
顏
(
かほ
)
であり/\を
言
(
い
)
ひましたを
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
誰れだと思ふ横町の長吉だぞと
平常
(
つね
)
の力だては空いばりとけなされて、弁天ぼりに水およぎの折も我が組に成る人は多かるまじ、力を言はゞ我が方がつよけれど、田中屋が
柔和
(
おとなし
)
ぶりにごまかされて
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
ありましたれど
赤子
(
あかご
)
に
着
(
き
)
せる
物
(
もの
)
がないとか
聞
(
き
)
きませば
平常
(
つね
)
の
心
(
こゝろ
)
に
承知
(
しようち
)
がならず
其
(
そ
)
の
夜
(
よ
)
通
(
とほ
)
して
針仕事
(
はりしごと
)
着
(
き
)
るもの
二
(
ふた
)
つ
遣
(
つか
)
はしましたと
得意顏
(
とくいがほ
)
の
物語
(
ものがた
)
り
徳
(
とく
)
は
陰
(
かげ
)
なるこそよけれとか
聞
(
きゝ
)
しが
怪
(
あや
)
しのことよと
疑
(
うたが
)
ふ
胸
(
むね
)
に
相談
(
さうだん
)
せばやの
心
(
こゝろ
)
は
消
(
き
)
えぬ
花子
(
はなこ
)
さま/″\の
患者
(
くわんじや
)
の
話
(
はなし
)
に
昨日
(
きのふ
)
往診
(
みまひ
)
し
同朋町
(
どうぼうちやう
)
とやら
若
(
も
)
しやと
聞
(
き
)
けばつゆ
違
(
たが
)
はぬ
樣子
(
やうす
)
なりそれほどまでには
別れ霜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
常
常用漢字
小5
部首:⼱
11画
“平常”で始まる語句
平常着
平常衣
平常服
平常帯
平常底
平常心
平常穿
平常著
平常通
平常遣