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常
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つね
ふりがな文庫
“
常
(
つね
)” の例文
かうして
林
(
はやし
)
の
中
(
なか
)
の
空氣
(
くうき
)
は、
常
(
つね
)
に
林
(
はやし
)
の
外
(
そと
)
と
比
(
くら
)
べて、
晝間
(
ちゆうかん
)
は
涼
(
すゞ
)
しく、
夜間
(
やかん
)
は
温
(
あたゝ
)
かで、
從
(
したが
)
つて
晝
(
ひる
)
と
夜
(
よる
)
とで
氣温
(
きおん
)
が
急
(
きゆう
)
に
變
(
かは
)
ることを
和
(
やは
)
らげます。
森林と樹木と動物
(旧字旧仮名)
/
本多静六
(著)
甚
(
はなは
)
だ勝手な申分であるが、私は正月の元旦といえども、ふだん着のまま寝ころんでいたりして、
常
(
つね
)
のままな顔がしていたいのである。
めでたき風景
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
百樹
(
もゝき
)
曰、
唐土
(
もろこし
)
にも
弘智
(
こうち
)
に
似
(
に
)
たる事あり。唐の世の僧
義存
(
ぎそん
)
没
(
ぼつ
)
してのち
尸
(
しかばね
)
を
函中
(
はこのなか
)
に
置
(
おき
)
、毎月其
徒
(
でし
)
これをいだし
爪髪
(
つめかみ
)
の
長
(
のび
)
たるを
剪薙
(
はさみきるを
)
常
(
つね
)
とす。
北越雪譜:06 北越雪譜二編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
それは
丁度
(
ちやうど
)
日本
(
にほん
)
の
國號
(
こくがう
)
を
外人
(
ぐわいじん
)
が
何
(
なん
)
と
呼
(
よ
)
び
何
(
なん
)
と
書
(
か
)
かうとも、
吾人
(
ごじん
)
は
必
(
かなら
)
ず
常
(
つね
)
に
日本
(
にほん
)
と
呼
(
よ
)
び
日本
(
にほん
)
と
書
(
か
)
かねばならぬのと
同
(
おな
)
じ
理窟
(
りくつ
)
である。(完)
誤まれる姓名の逆列
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
いふ
心夢
(
しんむ
)
とは
常
(
つね
)
平生
(
へいぜい
)
こゝろに思ふ事を見るをいふなりこの時
奧方
(
おくがた
)
の見給ふは
靈夢
(
れいむ
)
にして天下の
主將
(
しゆしやう
)
に
成
(
なる
)
べき
兆
(
さが
)
を
後々
(
のち/\
)
思ひしられたり
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
▼ もっと見る
常
(
つね
)
は
何
(
なん
)
とも
思
(
おも
)
はぬ
島田
(
しまだ
)
がめ
今日
(
けふ
)
斗
(
ばかり
)
は
恥
(
はづ
)
かしいと
夕
(
ゆふ
)
ぐれの
鏡
(
かゞみ
)
の
前
(
まへ
)
に
涕
(
なみだ
)
くむもあるべし、
菊
(
きく
)
の
井
(
ゐ
)
のお
力
(
りき
)
とても
惡魔
(
あくま
)
の
生
(
うま
)
れ
替
(
がは
)
りにはあるまじ
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
その中にお
常
(
つね
)
さんという顔も美しくなければ三味線も達者に弾けない、
服装
(
なり
)
も他に比べて大分見劣りのする芸子が一人混っていた。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
やはり、
石
(
いし
)
は、うまく
当
(
あ
)
たりませんでした。
最後
(
さいご
)
にいちばん
臆病
(
おくびょう
)
な
常
(
つね
)
ちゃんでした。もとより、うまく
当
(
あ
)
たりっこがありません。
真坊と和尚さま
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
人麿歌集にある歌で、「
児等
(
こら
)
が手を
巻向
(
まきむく
)
山は
常
(
つね
)
なれど過ぎにし人に行き
纏
(
ま
)
かめやも」(巻七・一二六八)と一しょに載っている。
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
どうかそうありたいものだ、
勝敗
(
しょうはい
)
はいくさの
常
(
つね
)
、小太郎山が
敵方
(
てきがた
)
の手に落ちたのもぜひないことと
伊那丸
(
いなまる
)
さまもあきらめておいで
遊
(
あそ
)
ばす。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
向ひのおてるさんが待つて居たやうににこやかに目礼した。道の人通りが多いので
常
(
つね
)
のやうに物を云つても
聞
(
きこ
)
えさうではない。
住吉祭
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
「この間から、神明の水茶屋の、お
常
(
つね
)
の
阿魔
(
あま
)
に熱くなりやがって、毎日入りびたって、渋茶で腹をダブダブにしてやがったよ」
銭形平次捕物控:013 美女を洗い出す
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
都
(
すべ
)
て
人
(
ひと
)
たる
者
(
もの
)
は
常
(
つね
)
に
物事
(
ものごと
)
に
心
(
こゝろ
)
を
留
(
とゞ
)
め、
世
(
よ
)
に
新
(
あた
)
らしき
事
(
こと
)
の
起
(
おこ
)
ることあらば、
何故
(
なにゆゑ
)
ありて
斯
(
かゝ
)
る
事
(
こと
)
の
出來
(
でき
)
しやと、よく
其本
(
そのもと
)
を
詮索
(
せんさく
)
せざるべからず。
改暦弁
(旧字旧仮名)
/
福沢諭吉
(著)
口頭
(
くちさき
)
ですっかり
悟
(
さと
)
ったようなことを
申
(
もう
)
すのは
何
(
なん
)
でもありませぬが、
実地
(
じっち
)
に
当
(
あた
)
って
見
(
み
)
ると
思
(
おも
)
いの
外
(
ほか
)
に
心
(
こころ
)
の
垢
(
あか
)
の
多
(
おお
)
いのが
人間
(
にんげん
)
の
常
(
つね
)
でございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
と。
鮑叔
(
はうしゆく
)
既
(
すで
)
に
管仲
(
くわんちう
)
を
進
(
すす
)
め、
身
(
み
)
を
以
(
もつ
)
て
之
(
これ
)
に
下
(
くだ
)
る。((鮑叔ノ))
子孫
(
しそん
)
世
(
よよ
)
齊
(
せい
)
に
祿
(
ろく
)
せられ、
封邑
(
ほういふ
)
を
有
(
たも
)
つ
者
(
もの
)
十
餘世
(
よせい
)
、
常
(
つね
)
に
名大夫
(
めいたいふ
)
たり。
国訳史記列伝:02 管晏列伝第二
(旧字旧仮名)
/
司馬遷
(著)
『
何
(
ど
)
んなもんですか……苦労しに東京に行くやうなものかも知れませんよ。年寄に子供、力になるのは
常
(
つね
)
ばかりですから』主婦は
鳥渡
(
ちよつと
)
考へて
朝
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
常
(
つね
)
さんの、
三日
(
みつか
)
ばかり
學校
(
がくかう
)
を
休
(
やす
)
んだのは
然
(
さ
)
る
事
(
こと
)
ながら、
民也
(
たみや
)
は、それが
夢
(
ゆめ
)
でなくとも、
然
(
さ
)
まで
可恐
(
おそろし
)
いとも
可怪
(
あやし
)
いとも
思
(
おも
)
はぬ。
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
カクラサマとは以前は神々の旅をして休息したもうべき場所の名なりしが、その地に
常
(
つね
)
います神をかく
唱
(
とな
)
うることとなれり。
遠野物語
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
此邊
(
このへん
)
は
熱帶國
(
ねつたいこく
)
の
常
(
つね
)
とて、
年中
(
ねんちう
)
日
(
ひ
)
が
長
(
なが
)
いので、
食後
(
しよくご
)
一
時間
(
じかん
)
ばかりは
大佐
(
たいさ
)
をはじめ
一同
(
いちどう
)
海邊
(
かいへん
)
に
出
(
い
)
でゝ
戸外運動
(
こぐわいうんどう
)
に
耽
(
ふけ
)
るのである。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
それに、彼が再び包む時にチラと見た所によると、額の表面に描かれた極彩色の絵が、妙に生々しく、何となく世の
常
(
つね
)
ならず見えたことであった。
押絵と旅する男
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
その重さこそ
常
(
つね
)
づね尋ねあぐんでいたもので、疑いもなくこの重さはすべての善いものすべての美しいものを重量に換算して来た重さであるとか
檸檬
(新字新仮名)
/
梶井基次郎
(著)
彼
(
かれ
)
の
頸
(
くび
)
には
小
(
ちひ
)
さい
腫物
(
はれもの
)
が
出來
(
でき
)
てゐるので、
常
(
つね
)
に
糊付
(
のりつけ
)
シヤツは
着
(
き
)
ないで、
柔
(
やは
)
らかな
麻布
(
あさ
)
か、
更紗
(
さらさ
)
のシヤツを
着
(
き
)
てゐるので。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
現身
(
うつしみ
)
の人の
聖
(
ひじり
)
と
現身
(
うつしみ
)
の鳥の雀と、雀とフランチエスコと、朝夕に常かくなりき。あなあはれ、世の
常
(
つね
)
の事にはあらずよ。
観相の秋
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
諸外國
(
しよぐわいこく
)
の
事情
(
じじやう
)
を
悉
(
こと/″\
)
く
頭
(
あたま
)
の
中
(
なか
)
に
入
(
い
)
れて
考
(
かんが
)
へなければならぬのであつて、
最
(
もつと
)
も
見通
(
みとほ
)
しの
立
(
た
)
ち
惡
(
にく
)
いものである。それで
常
(
つね
)
に
商賣人
(
しやうばいにん
)
に
累
(
るゐ
)
を
來
(
きた
)
すものである。
金解禁前後の経済事情
(旧字旧仮名)
/
井上準之助
(著)
『
若
(
も
)
し、
人
(
ひと
)
各々
(
おの/\
)
その
仕事
(
しごと
)
に
專念
(
せんねん
)
なる
時
(
とき
)
は』と
公爵夫人
(
こうしやくふじん
)
は
咳嗄
(
しわが
)
れた
銅鑼聲
(
どらごゑ
)
で
云
(
い
)
つて、『
世界
(
せかい
)
は
常
(
つね
)
よりも
迅
(
すみや
)
かに
回轉
(
くわいてん
)
します』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
領主
予
(
よ
)
は
常
(
つね
)
に
足下
(
おぬし
)
をば
正
(
たゞ
)
しい
僧
(
そう
)
と
信
(
しん
)
じてをったわ。……ロミオの
僕
(
しもべ
)
は
何處
(
いずこ
)
にをる?
彼
(
か
)
れは
此儀
(
このぎ
)
に
對
(
たい
)
して
何
(
なん
)
と
申
(
まう
)
すぞ?
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
平岡
(
ひらをか
)
は
不在
(
ふざい
)
であつた。それを
聞
(
き
)
いた時、代助は
話
(
はな
)
してゐ
易
(
やす
)
い様な、又
話
(
はな
)
してゐ
悪
(
にく
)
い様な変な気がした。けれども三千代の方は
常
(
つね
)
の通り落ち
付
(
つ
)
いてゐた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
寢息
(
ねいき
)
もやがて
夜着
(
よぎ
)
の
襟
(
えり
)
に
白
(
しろ
)
く
花咲
(
はなさ
)
くであらう、これが
草津
(
くさつ
)
の
常
(
つね
)
の
夜
(
よる
)
なのである。けれども
馴
(
な
)
れては
何物
(
なにもの
)
も
懷
(
なつか
)
しい、
吹雪
(
ふゞき
)
よ、
遠慮
(
ゑんりよ
)
なく
私
(
わたし
)
の
顏
(
かほ
)
を
撫
(
な
)
でゝゆけ!
日の光を浴びて
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
箱根
(
はこね
)
、
伊豆
(
いづ
)
の
方面
(
はうめん
)
へ
旅行
(
りよかう
)
する
者
(
もの
)
は
國府津
(
こふづ
)
まで
來
(
く
)
ると
最早
(
もはや
)
目的地
(
もくてきち
)
の
傍
(
そば
)
まで
着
(
つ
)
ゐた
氣
(
き
)
がして
心
(
こゝろ
)
も
勇
(
いさ
)
むのが
常
(
つね
)
であるが、
自分等
(
じぶんら
)
二人
(
ふたり
)
は
全然
(
まるで
)
そんな
樣子
(
やうす
)
もなかつた。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
孰
(
いづ
)
れか此両策の一を
取
(
と
)
りしなるべし、而るに後に聞く処に
拠
(
よ
)
れば、沼田近傍は
雨
(
あめ
)
常
(
つね
)
に
多
(
おう
)
かりしに、利根山中日々
晴朗
(
せいろう
)
の天気なりしは
不可思議
(
ふかしぎ
)
と云ふの外なし
利根水源探検紀行
(新字旧仮名)
/
渡辺千吉郎
(著)
この流派の
常
(
つね
)
として極端に陰影の度を誇張した区劃の中に
夜
(
よる
)
の
小雨
(
こさめ
)
のいと
蕭条
(
しめやか
)
に
海棠
(
かいどう
)
の
花弁
(
はなびら
)
を散す小庭の
風情
(
ふぜい
)
を見せている等は、誰でも知っている、誰でも喜ぶ
妾宅
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
磨製石斧 磨製石斧とは
細長
(
ほそなが
)
くして
其端
(
そのはし
)
に
刄
(
は
)
を付けたる石器の稱へなり。
大小不定
(
だいせうふてい
)
なれど長さ五六寸
計
(
ばか
)
りを
常
(
つね
)
とす。刄は殆と悉皆一端のみに
在
(
あ
)
りと云つて可なり。
コロボックル風俗考
(旧字旧仮名)
/
坪井正五郎
(著)
あれほど
常
(
つね
)
平生
(
へいぜい
)
船を大事にする濱の人たちも、それを見ながら誰一人どうしようといふ者がなかつた。
樹木とその葉:34 地震日記
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
秀才は自分で
長山
(
ちょうざん
)
の張という者であるといった。秀才はその時詩を作って贈別してくれた。その詩の中に、「花有り酒有り春
常
(
つね
)
に在り。月無し
燈
(
ひ
)
無し夜
自
(
おのずか
)
ら明らか」
考城隍
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
べつに
怨恨
(
えんこん
)
など
抱
(
いだ
)
いてはいないのだと
答
(
こた
)
えたが
事実
(
じじつ
)
としては
青流亭
(
せいりゅうてい
)
の
女将
(
おかみ
)
と
同
(
おな
)
じく、いつも
夜
(
よる
)
になつてから
老人
(
ろうじん
)
を
訪
(
たず
)
ねるのが
常
(
つね
)
で、ある
時
(
とき
)
、ひどくはげしい
口調
(
くちょう
)
で
金魚は死んでいた
(新字新仮名)
/
大下宇陀児
(著)
妹たちの学校に行ったあとでも、
苔香園
(
たいこうえん
)
の
婆
(
ばあ
)
さんに言葉をかけておいて家を明ける事は
常
(
つね
)
始終だった。
或る女:2(後編)
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
と美奈子が
良人
(
をつと
)
の広い机の端に、妊婦の
常
(
つね
)
として二階の
上下
(
あがりおり
)
に
目暈
(
めまひ
)
がする
其
(
その
)
額を
俯伏
(
うつぶ
)
して言つた。
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
かりにも
此方
(
こちら
)
は美男の聞えの隠れもない平中である。大概な女は彼だと分れば訳もなく
靡
(
なび
)
いてしまうのが
常
(
つね
)
で、今度のように手きびしい扱いをした者は一人もなかった。
少将滋幹の母
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
天滿與力
(
てんまよりき
)
はそれから
急
(
けふ
)
に
木綿
(
もめん
)
ものの
衣類
(
いるゐ
)
を
仕立
(
した
)
てさせるやら、
大小
(
だいせう
)
の
拵
(
こしら
)
へを
變
(
か
)
へるやら、ごた/\と
大騷
(
おほさわ
)
ぎをしたが、
但馬守
(
たじまのかみ
)
の
眼
(
め
)
は、キラ/\と
常
(
つね
)
に
彼等
(
かれら
)
の
上
(
うへ
)
に
光
(
ひか
)
つて
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
我
(
わ
)
が
朝日新聞社員
(
あさひしんぶんしやゐん
)
横川勇次氏
(
よこかはゆうじし
)
を送らんと、
朝
(
あさ
)
未明
(
まだき
)
に
起
(
おき
)
出
(
いで
)
て、
顔
(
かほ
)
洗
(
あら
)
ふ
間
(
ま
)
も心せはしく車を
急
(
いそが
)
せて
向島
(
むかふじま
)
へと
向
(
むか
)
ふ、
常
(
つね
)
にはあらぬ
市中
(
しちう
)
の
賑
(
にぎ
)
はひ、三々五々
勇
(
いさ
)
ましげに
語
(
かた
)
り
合
(
あ
)
ふて
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
別にたいして話をしているようでもないのに、叔母はなかなかその部屋からは出て来ないのが
常
(
つね
)
だった。私はこまちゃくれた好奇心にそそられないわけには行かなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
いにしへの神の時より逢ひけらし今の心も
常
(
つね
)
念
(
おも
)
ほえず(常不所念。常わすられず) (巻十三)
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
常
(
つね
)
にしたひむつべる
友
(
とも
)
にしあればことにうれしくてなほつがの
木
(
き
)
のいやつぎ/\にたゆみなく
千枝
(
ちえ
)
に
八千枝
(
やちえ
)
にしげりて
木高
(
こたか
)
きかげとなりたまはん
事
(
こと
)
をかつは
祝
(
しゆく
)
してたゝ
一言
(
ひとこと
)
を
うもれ木:01 序
(旧字旧仮名)
/
田辺竜子
(著)
無盡藏
(
むじんざう
)
な
自然
(
しぜん
)
の
懷
(
ふところ
)
から
財貨
(
ざいくわ
)
が
百姓
(
ひやくしやう
)
の
手
(
て
)
に
必
(
かなら
)
ず一
度
(
ど
)
與
(
あた
)
へられる
秋
(
あき
)
の
季節
(
きせつ
)
に
成
(
な
)
れば、
其
(
そ
)
の
財貨
(
ざいくわ
)
を
保
(
たも
)
つた
田
(
た
)
や
畑
(
はたけ
)
の
穗先
(
ほさき
)
が
之
(
これ
)
を
嫉
(
ねた
)
む一
部
(
ぶ
)
の
自然現象
(
しぜんげんしやう
)
に
對
(
たい
)
して
常
(
つね
)
に
戰慄
(
せんりつ
)
しつゝ
且
(
かつ
)
泣
(
な
)
いた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
何
(
なに
)
ひとつ
心願
(
しんがん
)
なんぞのありそうもない、五十を
越
(
こ
)
した
武家
(
ぶけ
)
までが、
雪駄
(
せった
)
をちゃらちゃらちゃらつかせてお
稲荷詣
(
いなりもう
)
でに、
御手洗
(
みたらし
)
の
手拭
(
てぬぐい
)
は、
常
(
つね
)
に
乾
(
かわ
)
くひまとてないくらいであった。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
友の思想と自分の思想とは
常
(
つね
)
に
殆
(
ほとん
)
ど同じで、其の一方の感ずることは
軈
(
やが
)
て
又
(
また
)
他方
(
たほう
)
の
等
(
ひと
)
しく感ずる處であるが、
今
(
いま
)
の
場合
(
ばあひ
)
のみは、私は
直
(
たゞち
)
に
賛同
(
さんどう
)
の意を
表
(
ひやう
)
することが出來なかツた。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
その子成人の
後
(
のち
)
、命なりけり小夜の中山と
常
(
つね
)
に口ずさみ、諸国をめぐつて
終
(
つい
)
に池田の宿にてかの盗賊のかたきに
出
(
い
)
であひ、親の
仇
(
かたき
)
をやす/\と討ちしとぞ。その
証
(
しょう
)
、
詳
(
つまび
)
らかならず
小夜の中山夜啼石
(新字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
一体斯様な事をいう手前などはな主人を
常
(
つね
)
思わんからだ、主人を思わん奴が
偶々
(
たま/\
)
胸に主人の為になる事を
浮
(
うか
)
ぶと、あゝ忠義な者じゃと
自
(
みずか
)
ら誇る、家来が主人を思うは
当然
(
あたりまえ
)
の事だ
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
玄関にはいると、
常
(
つね
)
が一人私を出迎えた。私は一種の物足りなさを感じた。
生と死との記録
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
巌谷
(
いはや
)
の
紹介
(
せうかい
)
で入社したのが
江見水蔭
(
えみすゐいん
)
です、
此
(
この
)
人は
杉浦氏
(
すぎうらし
)
の
称好塾
(
せうこうじゆく
)
に
於
(
お
)
ける
巌谷
(
いはや
)
の
莫逆
(
ばくぎやく
)
で、
其
(
そ
)
の
素志
(
そし
)
と
云
(
い
)
ふのが、
万巻
(
ばんくわん
)
の書を読まずんば、
須
(
すべから
)
く
千里
(
せんり
)
の道を
行
(
ゆ
)
くべしと、
常
(
つね
)
に
好
(
この
)
んで
山川
(
さんせん
)
を
跋渉
(
ばつせふ
)
し
硯友社の沿革
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
“常”の解説
常(じょう)は、中国および日本の古代において使われた長さの単位の一つ。
(出典:Wikipedia)
常
常用漢字
小5
部首:⼱
11画
“常”を含む語句
尋常
平常
日常
常人
通常
常住
常時
常久
常居
非常
常習
常春藤
異常
常態
常識
常套
家常茶飯
常々
常規
常日
...