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平
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へい
ふりがな文庫
“
平
(
へい
)” の例文
それを見ると伝二郎は炊事場の上り
框
(
がまち
)
へ意気地なく額を押しつけてしまった。丁稚も見よう見真似でそのうしろに
平
(
へい
)
突くばっていた。
釘抜藤吉捕物覚書:07 怪談抜地獄
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
夫
(
をつと
)
の
敵
(
かたき
)
覺
(
おぼ
)
えたかと
云
(
いひ
)
さま彼の
懷劍
(
くわいけん
)
を
胴腹
(
どうばら
)
へ
突込
(
つきこみ
)
しかば
平
(
へい
)
四郎はアツト
聲
(
こゑ
)
立
(
たて
)
仰向
(
のつけ
)
に
倒
(
たふ
)
れ七
轉
(
てん
)
八
倒
(
たう
)
なす
故
(
ゆゑ
)
隣の
座敷
(
ざしき
)
は源八
歌浦
(
うたうら
)
なれば
此聲
(
このこゑ
)
に
驚
(
おどろ
)
き
馳來
(
はせきた
)
るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
旅
(
たび
)
へ
出
(
で
)
かけるだよ。この
村
(
むら
)
にいたっていいことはない。
旅
(
たび
)
へいってうんと
働
(
はたら
)
いてくるだ。
平
(
へい
)
さんも、いかないか。」
赤いガラスの宮殿
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
と、身をひるがえして、方角を
更
(
か
)
えたとき、小次郎の体は、彼の腕から振り捨てられ、大地に
平
(
へい
)
つく
這
(
ば
)
っていた。
平の将門
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
万国と対立するという……世界の最高の文明、強大なる国と対立しようという……対立するといえば文明を等しくするというのである。物
平
(
へい
)
を得ざれば鳴る。
吾人の文明運動
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
▼ もっと見る
朝といえども省かない。
殽
(
さかな
)
には
選嫌
(
えりぎらい
)
をしなかったが、のだ
平
(
へい
)
の
蒲鉾
(
かまぼこ
)
を
嗜
(
たし
)
んで、
闕
(
か
)
かさずに出させた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
あいにくなことに、女中が掃除したばかりだろう、こっちの記事部屋の障子がまだあけたままなので、
平
(
へい
)
つく
這
(
ば
)
った文華の、
痩
(
や
)
せた小さな、貧相な姿はまる見えだった。
へちまの木
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
その
助
(
すけ
)
と
平
(
へい
)
がちと度が強すぎてな。何と申してよいやら、あのようなのも先ず古今無双じゃ。
旗本退屈男:08 第八話 日光に現れた退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
その日、清は、牛丸の
平
(
へい
)
ちゃんと
連立
(
つれだ
)
って、おひるごろカンヌキ山の頂上にたどりついた。
少年探偵長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
太
陽
(
やう
)
の
面
(
めん
)
の
百万分
(
ひやくまんぶん
)
の一の大きさの鏡をつくると
丁度
(
ちやうど
)
半哩
平
(
へい
)
方
程
(
ほど
)
の鏡がいることになります
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
夫
(
それ
)
は
僕
(
ぼく
)
も
家畜病院長
(
かちくびやうゐんちやう
)
を呼んで
診察
(
しんさつ
)
をして
貰
(
もら
)
ひましたがな……。「お
熱
(
ねつ
)
は
何
(
ど
)
んな
塩梅
(
あんばい
)
でございますか。「
熱
(
ねつ
)
は
京都
(
きやうと
)
へ
来
(
き
)
たせいか
平
(
へい
)
をんでげす。「
熱度
(
ねつど
)
はどの
位
(
くらゐ
)
で。「三
条
(
でう
)
七
条
(
でう
)
と
申
(
まうし
)
ます。 ...
牛車
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
これは
平吉
(
へいきち
)
……
平
(
へい
)
さんと言うが
早解
(
はやわか
)
り。織次の亡き親父と同じ
夥間
(
なかま
)
の職人である。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
わたしは
嫉妬
(
しっと
)
したり、自分の
小
(
ち
)
っぽけさ加減に愛想をつかしたり、
馬鹿
(
ばか
)
みたいにすねてみたり、馬鹿みたいに
平
(
へい
)
つくばったり、——そのくせ、どうにもならない引力で彼女の方へ引きつけられて
はつ恋
(新字新仮名)
/
イワン・ツルゲーネフ
(著)
取替
(
とりかは
)
せしに
後藤
(
ごとう
)
平
(
へい
)
四郎と申名の下に
捺
(
おし
)
たる
印形
(
いんぎやう
)
は幸之進の實印に
相違
(
さうゐ
)
なく然れども
夫
(
それ
)
ばかりにて
定
(
さだ
)
め
難
(
がた
)
しと
存
(
ぞんじ
)
茶屋
(
ちやや
)
へ
參
(
まゐ
)
り
腰
(
こし
)
の物を
改
(
あらた
)
め見候に
本夫
(
をつと
)
の
脇差
(
わきざし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
平
(
へい
)
将軍も、
嶷
(
ぎ
)
将軍も、はやはや退き給え。丞相のご命令である。——北原も味方の敗れとなり、浮橋を焼く計もことごとく
齟齬
(
そご
)
いたして、蜀勢はみな敗れ去った」
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と
高調子
(
たかぢょうし
)
で門を入ったのが、
此処
(
ここ
)
に
差向
(
さしむか
)
ったこの、平吉の
平
(
へい
)
さんであった。
国貞えがく
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「毎日毎日耳の遠い奴じゃな。平七はどこじゃ。
平
(
へい
)
はおらんか!」
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
すると、椅子の蔭に、
蛙
(
かえる
)
のように、
平
(
へい
)
つくばった男が一人!
二、〇〇〇年戦争
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
後年、六波羅の平家一門中、権謀むしろ入道清盛をもこえて、世に“
縉紳
(
しんしん
)
の
侠
(
きょう
)
”とおそれられた
平
(
へい
)
大納言時忠こそ、実に、良家の一不良——この日のお玉杓子であろうとは。
新・平家物語:02 ちげぐさの巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
頼
(
たの
)
み外へ
遣置
(
やりおき
)
急立
(
せきたつ
)
心
(
こゝろ
)
を
鎭
(
しづ
)
めて
覗見
(
のぞきみ
)
るに
平
(
へい
)
四郎は
夜具
(
やぐ
)
に
凭
(
もた
)
れて
鼻唄
(
はなうた
)
を
唄
(
うた
)
ひ居るにぞ
能
(
よく
)
御出
(
おいで
)
なんしたと
屏風
(
びやうぶ
)
の中に
入
(
いり
)
主
(
ぬし
)
に御聞申事が
有
(
ある
)
と
布團
(
ふとん
)
の上へ
上
(
あが
)
りけれども
何
(
なん
)
の氣も
付
(
つか
)
ぬ
處
(
ところ
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
尤
(
もつと
)
も
使
(
つかひ
)
をした、ならずの
平
(
へい
)
が
下駄
(
げた
)
どころか、
足駄
(
あしだ
)
を
穿
(
は
)
いたに
違
(
ちが
)
ひない。
一席話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「耳が遠いな。平七はどこじゃ。
平
(
へい
)
はおらんか!」
山県有朋の靴
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
“平”の意味
《名詞》
(たいら)でこぼこのない様子。突出や沈降のない様子。
(たいら)でこぼこのない土地。
(ひら)特別な地位を持っていない様子。接頭語的にも使用される。
(なみ)平均的。標準的。或いは平均値や標準に近い様子。優れても劣ってもいない様子。
(出典:Wiktionary)
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
“平”を含む語句
平常
平生
平和
平素
平日
大平
平伏
扁平
平等
平均
平坦
平安
平地
平時
平癒
平相国
北平
地平
真平
不平
...