トップ
>
平
>
なら
ふりがな文庫
“
平
(
なら
)” の例文
長火鉢の
猫板
(
ねこいた
)
に
片肱
(
かたひじ
)
突いて、美しい
額際
(
ひたいぎわ
)
を抑えながら、片手の
火箸
(
ひばし
)
で炭を
突
(
つ
)
ッ
衝
(
つ
)
いたり、灰を
平
(
なら
)
したりしていたが、やがてその手も動かずなる。
深川女房
(新字新仮名)
/
小栗風葉
(著)
その辺は綺麗に
平
(
なら
)
されていた。格闘したらしい跡もなかった。血の
零
(
こぼ
)
れたような跡もなかった。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
文鳥はつと
嘴
(
くちばし
)
を餌壺の真中に落した。そうして二三度左右に振った。奇麗に
平
(
なら
)
して入れてあった粟がはらはらと籠の底に
零
(
こぼ
)
れた。文鳥は
嘴
(
くちばし
)
を上げた。
咽喉
(
のど
)
の所で
微
(
かすか
)
な音がする。
文鳥
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
奇麗に
平
(
なら
)
した畑は
一条
(
ひとすじ
)
一条丁寧に
尺竹
(
しゃくだけ
)
をあて、縄ずりして、真直ぐに西から東へ
畝
(
うね
)
を立て、堆肥を置いて土をかけ、七蔵が種を
振
(
ふ
)
れば、赤児を負った若いかみさんが
竹杖
(
たけづえ
)
ついて
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
青柳のはらろ
川門
(
かはと
)
に汝を待つと
清水
(
せみど
)
は汲まず
立所
(
たちど
)
平
(
なら
)
すも (同・三五四六)
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
▼ もっと見る
十七世紀にル・ノオル王が切り
平
(
なら
)
させたと云ふ横長い岡の上の一隅に建てられて、
直
(
すぐ
)
下に
浅黄
(
あさぎ
)
色のセエヌを
瞰下
(
みおろ
)
し、ペツク
其他
(
そのた
)
の小さい
田舎
(
ゐなか
)
の村を隔てて
巴里
(
パリイ
)
の大市街を二里の
彼方
(
あなた
)
に見渡して居る。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
自分は黙って
尾
(
つ
)
いて行った。
昨日
(
きのう
)
親方に
逢
(
あ
)
ったのは
飯場
(
はんば
)
だが、親方の住んでる所は別にある。長屋の横を半丁ほど
上
(
のぼ
)
ると、石垣で二方の
角
(
かど
)
を取って
平
(
なら
)
した地面の上に二階建がある。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
竹柱にして、真柴垣を外に少しかこひて、土間をいかにも/\美しく
平
(
なら
)
させ、無双の蘆屋釜を自在にかけ、雲脚をばこしらへて、茶椀水差等をば、いかにも下直なる荒焼をぞもとめける。
五右衛門と新左
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「今朝方
箒目
(
ほうきめ
)
をあてたと見え、地面も縁の上も
平
(
なら
)
されている」
前記天満焼
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
“平”の意味
《名詞》
(たいら)でこぼこのない様子。突出や沈降のない様子。
(たいら)でこぼこのない土地。
(ひら)特別な地位を持っていない様子。接頭語的にも使用される。
(なみ)平均的。標準的。或いは平均値や標準に近い様子。優れても劣ってもいない様子。
(出典:Wiktionary)
平
常用漢字
小3
部首:⼲
5画
“平”を含む語句
平常
平生
平和
平素
平日
大平
平伏
扁平
平等
平均
平坦
平安
平地
平時
平癒
平相国
北平
地平
真平
不平
...