“伏(ぶせ)” の例文
例えば鎌倉権五郎だ、十三束(ぞく)三伏(ぶせ)の矢を、三人張りで射出され、それで片目射潰されても、なお堂々と敵を斬り、生命には何んの別状もなかった。
名人地獄 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
少女は「あ」と叫びつつ、そのまま気を喪(うしな)ひて、巨勢が扶(たす)くる手のまだ及ばぬ間(ま)に僵(たお)れしが、傾く舟の一揺りゆらるると共に、うつ伏(ぶせ)になりて水に墜(お)ちぬ。
うたかたの記 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
と、大音に呼び大音に呼び、十二束(そく)三伏(ぶせ)充分に引き、矢筈かくるるばかりとなし、矢声高く切って放した。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)