“まつろ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:マツロ
語句割合
末路59.1%
帰服9.1%
9.1%
4.5%
奉仕4.5%
服従4.5%
歸服4.5%
順服4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
遠き故事を引くにも及ばず、近きためしは源氏の末路まつろ仁平にんぺい久壽きうじゆの盛りの頃には、六條判官殿、如何いかでか其の一族の今日こんにちあるを思はれんや。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
世は斯くぞ宇多の宇迦斯うかし兄弟えおとあれど帰服まつろはずおとぞ仕へし
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
乙女のまよびきのごと、はた天つ水影の押伏せて見ゆる向津国むかつくにも御軍の威におそまつろひけむをおもふ時、われは端なくも土蜘蛛、熊襲くまそなんどの栄えたりし古の筑紫に身をおくがごとくて
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)
ここに天皇、その御子の建く荒き情をかしこみて、詔りたまひしく、「西の方に熊曾建くまそたける二人あり。これまつろはず、禮旡ゐやなき人どもなり。かれその人どもを取れ」
かれ若帶日子わかたらしひこの命は、天の下治らしめしき。小碓をうすの命は、東西の荒ぶる神、またまつろはぬ人どもをことむけたまひき。次に櫛角別くしつのわけの王は、茨田の下の連等が祖なり。
されど今の御疑ひ一〇二僻言ひがごとならぬは、大師は神通自在じんつうじざいにして一〇三隠神かくれがみえきして道なきをひらき、いはほるには土を穿うがつよりもやすく、大蛇をろち一〇四いましめ、化鳥けてう一〇五奉仕まつろへしめ給ふ事
しかればわれもひといきかぎり、天皇命の大御政に服従まつろい、天皇命の大御意おおみこころを己がこころとし、万事を皇朝廷すべらみかどまかせ奉り、さて寿尽きて身死みまからば、大物主の神慮に服従まつろい、その神の御意を己が意とし
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
ここに建振熊の命たばかりて、「息長帶日賣の命は、既に崩りましぬ。かれ、更に戰ふべくもあらず」といはしめて、すなはち弓絃ゆづらを絶ちて、いつはりて歸服まつろひぬ。
つまり私に徳川幕府の細作かんじゃになれと云われるのでした。当代の政治しおき順服まつろわぬ徒輩とはいを一気に殲滅ほろぼす下拵えを私にせよというのでした。
正雪の遺書 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)