ぢん)” の例文
ぢん白檀びやくだん、松脂等が吾人に或感を起さしむるのも、決して因襲習慣より來る聯想によるのみでは有るまい。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
平中は眉をひそめながら、一番上に浮いてゐた、二寸程の物をつまみ上げた。さうして髭にも触れる位、何度も匂を嗅ぎ直して見た。匂は確かにまぎれもない、飛び切りのぢんの匂である。
好色 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
しら蓮や唐木からきくみたる庭舟にはぶねぢんたきすてて伯父の影なき
恋衣 (新字旧仮名) / 山川登美子増田雅子与謝野晶子(著)
ほのかにくゆぢんかう波羅葦増ハライソのゆめ。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
白檀びやくだんかうぢんかう
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
しめやかにぢんの香しづみ
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
うち湿しめぢんの青みを
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)