じっ)” の例文
誰一人じっとしているものは無い。腰を掛けたかと思うと立つ。甲に話しているかと思うと何時の間にか乙と談じている。
源助、宮浜の児を遣ったあとで、天窓あたま引抱ひっかかえて、こう、風の音を忘れるようにじっと考えると、ひょい、と火をるばかりに、目に赤く映ったのが、これなんだ。
朱日記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)