まさし)” の例文
旧字:
富士川氏所蔵の自筆本数種を見るに、細楷と行狎ぎやうかふと皆遒美いうびである。塩田まさしさんの談に、蘭軒は人に勧めて雲麾碑うんきのひを臨せしめたと云ふ。平生書に心を用ゐたものとおもはれる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
良子刀自所蔵の文書に、「明治五年七月東京第一大区十一小区東松下町三十七番地工部省七等出仕塩田真方寄留」の文がある。塩田良三りやうさんは既にまさしと改称して、工部省に仕へてゐた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
わたくしは柏軒の門人中より既に清川、志村二家の事をいて略叙した。次は塩田良三である。良三、後の名はまさしである。わたくしが蘭軒の稿を起した時は猶世にあつたが、今は亡くなつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)