“まっとう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
松任29.4%
真当11.8%
11.8%
真実11.8%
5.9%
尋常5.9%
待遠5.9%
末党5.9%
末頭5.9%
正直5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
十歳とおばかりの頃なりけん、加賀国石川ごおり松任まっとうの駅より、畦路あぜみちを半町ばかり小村こむら入込いりこみたる片辺かたほとりに、里寺あり、寺号は覚えず、摩耶夫人おわします。
一景話題 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
叔父は園田孫兵衛そのだまごべえと言いて、文三の亡父の為めには実弟に当る男、慈悲深く、あわれッぽく、しかも律義りちぎ真当まっとうの気質ゆえ人のけも宜いが、おしいかなと気が弱すぎる。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
日本軍の中には赤十字の義務をまっとうして、敵より感謝状を送られたる国賊あり。しかれどもまた敵愾心てきがいしんのために清国てきこくの病婦をとらへて、犯しはずかしめたる愛国の軍夫あり。委細はあとより。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
恋などという生やさしいものは、妾にとっては、遠い昔の物語! ……真実まっとうの人間に復活かえろうと、久しい間、男嫌いで通して来たものを! ……恋? それも邪まの恋? ……何んの何んの頼母様は
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
しかし上宮太子の、憂悩のあまり祈念されたところは、後代において必ずしもまっとううされたとはいえない。更におおいなる悲痛の裡に、天武天皇は位を継ぎ、憂悩を深めたのである。
大和古寺風物誌 (新字新仮名) / 亀井勝一郎(著)
お互い尋常まっとうのくらしをしていて、別れるというなら話になる。
血煙天明陣 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
これは足利殿の末党まっとう一色村の者どもですが、きのう不知哉丸いさやまるさまの母御前ははごぜより、途中、ご危難のよしのらせをうけ、おあるじ刑部ぎょうぶ殿のいいつけにて、夜来、ご安否を案じて
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
普化宗ふけしゅう江戸番所、一月寺末頭まっとう——
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
この戦国の世のさまでは、とうてい正直まっとうに暮していたら鼻の下の建立が覚束おぼつかないと、早くもそこへ目を付けて、詐欺いかさまのネタになるような、掘り出し物はあるまいかと
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)