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附着
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くツつ
草鞋を
穿いた
足の
甲へも
落た
上へ
又累り、
並んだ
傍へ
又附着いて
爪先も
分らなくなつた、
然うして
活きてると
思ふだけ
脈を
打つて
血を
吸ふやうな。
何處から
繰出したか——まさか
臍からではあるまい——
蛙の
胞衣のやうな
管をづるりと
伸ばして、
護謨輪に
附着けたと
思ふと、
握拳で
操つて、ぶツ/\と
風を
入れる。
鉛の
重かとおもふ
心持、
何か
木の
実でゞもあるか
知らんと、二三
度振て
見たが
附着いて
居て
其まゝには
取れないから、
何心なく
手をやつて
掴むと、
滑らかに
冷りと
来た。
扨其黄昏は、
少し
風の
心持、
私は
熱が
出て
惡寒がしたから
掻卷にくるまつて、
轉寢の
内も
心が
置かれる
小説の
搜索をされまいため、
貸本を
藏してある
件の
押入に
附着いて
寢た。
そ、それが
五分と
間がない、
目も
鼻も
口も
一所に、
僕の
顏とぴつたりと
附着きました、——あなたのお
住居の
時分から
怪猫が
居たんでせうか……
一體猫が
大嫌ひで、いえ
可恐いので。
白い
踵を
揚げました、
階段を
辷り
下りる、と、
後から、ころ/\と
轉げて
附着く。
此の
廂はづれに、
階下の
住居の八
疊の
縁前、
二坪に
足らぬ
明取りの
小庭の
竹垣を
一ツ
隔てたばかり、
裏に
附着いた一
軒、
二階家の
二階の
同じ
肱掛窓が、
南を
受けて、
此方とは
向を
異へて
睫毛ばかりに
附着いて、
小さな
枯葉をかぶりながら、あの
蓑蟲は
掛つて
居た。
三
人が
根をおろしたらしく
見て
取ると、
坂上も、
急には
踏出せさうもなく、
足が
地に
附着いたが、
前途を
急ぐ
胸は、はツ/\と、
毒氣を
掴んで
口から
吹込まれさうに
躍つて、
血を
動かしては
表からは、
木戸を
一つ
丁字形に
入組んだ
細い
露地で、
家と
家と、
屋根と
屋根と
附着いて
居る
處だから、
珊瑚の
流れは、
壁、
廂にしがらんで、
堰かるゝと
見えて、
表欄干から
見たのと
較べては
後なる
一人は、
中脊の
細い
男で、
眞中の、
其の
盲目婦の
髮の
影にも
隱れさうに、
帶に
體を
附着けて
行違つたのであるから、
形、
恰好、
孰れも
判然としない
中に、
此の三
人目のが
就中朧に
見えた。
場所、
所を
變へつゝ、
彼の
守宮の
形で、
天窓にすぽりと
何か
被つた、あだ
白い、
胴の
長い、
四足で
畝るものが、ぴつたりと
附着いたり、ことりと
圓くなつたり、
長々と
這ふのが
見えたり……やがて
見附を
入つて、
牛込から、
飯田町へ
曲るあたりの
帳場に、(
人力)を
附着けて、
一寸(
分)の
字の
形にしたのに、
車をつくりに
添へて、
大きく
一字にした
横看板を、
通りがかりに
見て、それを
先生に
ト
頭から
頬へ
縱横に
繃帶を
掛けて
居る。
片頬が
然らでも
大面の
面を、
別に
一面顏を
横に
附着けたやうに、だぶりと
膨れて、
咽喉の
下まで
垂下つて、はち
切れさうで、ぶよ/\して、わづかに
目と、
鼻。