一人ひと)” の例文
去れば其留守前日より分らずして金起を呼び迎える暇なき時は妾唯一人ひとり行きたる事も有り明治二十年の秋頃よりして今年の春までに行きて泊りし事およそ十五度も有る程なり
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
「何だか君一人ひとりで登るようだぜ」
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
開けしには如何に中には一人ひとり眠れる人あり妾驚きて「アレー」と云いながら其戸を閉切れば眠れる人は此音に目を覚せしか戸を跳開はねひらきて暴出あれいでたり能く見れば是れ金起の兄なる陳施寧なり
無惨 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)