“おもかげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:オモカゲ
語句割合
63.3%
面影33.0%
1.5%
於母影1.2%
容貌0.2%
幻影0.2%
面形0.2%
面景0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
不幸で沈んだと名乗るふちはないけれども、孝心なと聞けばなつかしい流れの花の、旅のころもおもかげに立ったのが、しがらみかかる部屋の入口。
縁結び (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
僕の訳文はつたないのに違ひない。けれどもむかし Guys のゑがいた、優しい売笑婦の面影おもかげはありありと原文に見えるやうである。
澄江堂雑記 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
有名な美貌の持主でしたが、一つは年、もう一つは、重なった不幸に打ちひしがれ、すっかりおもかげを変えていました。
兄は洋行から帰った当座は、いけはたの花園町におりました。そこで「舞姫」や『国民之友』の夏期附録となった『於母影おもかげ』などが出来たのです。
鴎外の思い出 (新字新仮名) / 小金井喜美子(著)
いざ雪ふらば降れ、風ふかば吹け、我が方寸ほうすんの海に波さわぎて、沖の釣舟つりぶねおもひも乱れんか、ぎたる空にかもめなく春日はるひのどかになりなん胸か、桜町が殿の容貌おもかげも今は飽くまで胸にうかべん。
軒もる月 (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
草緑にして露繁き青山の練兵場、林を出でゝ野に入り、野を去つて更に田に出づるかうがい町より下渋谷の田舎道は余と透谷とが其頃しばしば散歩したる処にして当時の幻影おもかげは猶余の脳中に往来す。
透谷全集を読む (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
その面形おもかげの、何とのう、恋しのつまに似たり。
森の妖姫 (新字新仮名) / 小川未明(著)
夕されば物念ものもいまさる見し人の言問はすさまひしさま面景おもかげにして (巻四、相聞、笠女郎)
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)