“ちょうちん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
提灯84.7%
提燈13.9%
堤灯0.4%
挑灯0.4%
堤燈0.2%
灯燈0.2%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「押さなくってもいいから、押されるだけ押されるさ」と云ううち二人は前へ出る。巡査の提灯ちょうちんが孤堂先生の黒い帽子をかすめて動いた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「これは」と思って眼をやると、対岸安宅あたか町の方角で、飛び廻っている御用提灯ちょうちん! しかも五つ六つではない、二十三十乱れている。
剣侠受難 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
夕餐ゆうめしぜんが片づいて、皆ながあちこちへ別れているところへ、俥夫の提灯ちょうちんを先に、突如だしぬけに暗い土間へ入ってきた。
入江のほとり (新字新仮名) / 正宗白鳥(著)
庫裡くりや方丈の方で騒擾そうじょうたる人の足音が絶えません。そして、そこから見れば、山門の方は火を焚いたような提燈ちょうちんの明りです。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武士は四辺あたりをじっと見たがどうしても場所の見当がつかなかった。二人れの男が提燈ちょうちんを持って左の方から来た。武士は声をかけた。
山寺の怪 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
今まで見えなかった一棟の洋館がすぐその前にあるのに驚いた。家の中には燈火が見える。丸い赤い提燈ちょうちんが見える。人の声が耳に入る。
一兵卒 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
その刹那せつな、博士の顔が絶望に木枯こがらしの中の破れ堤灯ちょうちんのようにゆがんだ。
ああそうそう、あのブヨブヨした堤灯ちょうちん形の段だらだけは、貴方にはご存知がないはずです。ですけど、私の眼にさえも、それは異様なものに映じておりました。多分それというのも、胆汁や腹腔内の出血などが、泥さえも交え、ドロドロにかきまざっていたせいもあるでしょうが、ちょうどその色雑多な液の中で、腸綿のとぐろがブワブワ浮んでいるように見えたのです。
白蟻 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
天井からは挑灯ちょうちんに造花、下には椅子テーブルに植木鉢のみならず舞台で使う藪畳やぶだたみのような植込うえこみが置いてあるので
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
「ごらんなさい。あの高藪たかやぶの上に、ふらふらと、人魂ひとだまのような赤い挑灯ちょうちんがしきりに暗号を振っているでしょうが」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
いわく「今夜半には、例のあか挑灯ちょうちん魂魄燈こんぱくとういて、民団の壮丁すべて行動せよ。梁山泊の賊将宋江そうこう以下を、迷路へ引き込み、期してりにしてくれるのだ。よろしいか! 魂魄燈こんぱくとうを見失うなよ。日ごろ訓練の魂魄燈の合図に従って動くのだぞ」と。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そこで堤燈ちょうちんりてゆこうとりました。
真吉とお母さん (新字新仮名) / 小川未明(著)
朝まだき、東の空ようやく白みしころ、人々皆起きいでて合羽かっぱを着、灯燈ちょうちんつけ舷燈たずさえなどして波止場に集まりぬ。
源おじ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)