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宵闇
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よひやみ
ふりがな文庫
“
宵闇
(
よひやみ
)” の例文
記録
(
きろく
)
は
愼
(
つゝし
)
まなければ
成
(
な
)
らない。——
此
(
こ
)
のあたりで、
白刃
(
しらは
)
の
往來
(
わうらい
)
するを
見
(
み
)
たは
事實
(
じじつ
)
である。……けれども、
敵
(
かたき
)
は
唯
(
たゞ
)
、
宵闇
(
よひやみ
)
の
暗
(
くら
)
さであつた。
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
相手に
戰
(
たゝか
)
ひ居により
左
(
と
)
に
右
(
かく
)
助
(
たす
)
けんと存じ
宵闇
(
よひやみ
)
の
暗紛
(
くらまぎ
)
れに切付たるは女の聲ゆゑ偖は女房を切たるかと
狼狽
(
うろたへ
)
たる處に
傍邊
(
かたはら
)
より男一人打て掛りしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
いや、その光がさしてゐるだけに、向うの
軒先
(
のきさき
)
に吊した
風鐸
(
ふうたく
)
の影も、
反
(
かへ
)
つて濃くなつた
宵闇
(
よひやみ
)
の中に隠されてゐる位である。
漱石山房の秋
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「ところが、お舟は本當の下手人を見た。背の高い男が、お曾與を殺して逃げたのを見た筈だ。
宵闇
(
よひやみ
)
の暗い中で、それを和助と思ひ込んだのも無理はない」
銭形平次捕物控:097 許婚の死
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
令孃
(
ひめ
)
が
部屋
(
へや
)
の
戸
(
と
)
一
枚
(
まい
)
を
隔
(
へだ
)
てに、
今宵
(
こよひ
)
かぎりの
名殘
(
なごり
)
を
惜
(
を
)
しまんとて、
心
(
こヽろ
)
も
空
(
そら
)
も
宵闇
(
よひやみ
)
の
春
(
はる
)
の
夜
(
よ
)
、
落花
(
らくくわ
)
の
庭
(
には
)
に
踏
(
ふ
)
む
足
(
あし
)
の
音
(
おと
)
なきこそよけれ、
切
(
せ
)
めては
夢
(
ゆめ
)
に
入
(
い
)
れかしと
忍
(
しの
)
びぬ。
暁月夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
▼ もっと見る
一一一
看
(
み
)
る看る日は入り果てて、
一一二
宵闇
(
よひやみ
)
の夜のいとくらきに、
灯
(
ひ
)
を
一一三
点
(
あ
)
げざればまのあたりさへわかぬに、只
澗
(
たに
)
水の音ぞちかく聞ゆ。あるじの僧も又
眠蔵
(
めんざう
)
に入りて音なし。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
宵闇
(
よひやみ
)
の底に埋れて唯ひとり
偏奇館吟草
(新字旧仮名)
/
永井荷風
、
永井壮吉
(著)
いや、その光がさしてゐるだけに、向うの軒先に
吊
(
つる
)
した
風鐸
(
ふうたく
)
の影も、
反
(
かへ
)
つて濃くなつた
宵闇
(
よひやみ
)
の中に隠されてゐる位である。
東京小品
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
連て立ち出しは既に
時刻
(
じこく
)
を計りし事故
黄昏
(
たそがれ
)
近き折なれば僅かの内に日は
暮切
(
くれきり
)
宵闇
(
よひやみ
)
なれば辻番にて三次は用意の
提灯
(
ちやうちん
)
へ
灯
(
あか
)
りを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
火
(
ひ
)
の
雲
(
くも
)
をかくした
櫻
(
さくら
)
の
樹立
(
こだち
)
も、
黒塀
(
くろべい
)
も
暗
(
くら
)
く
成
(
な
)
つた。
舊暦
(
きうれき
)
七
月
(
ぐわつ
)
二十一
日
(
にち
)
ばかりの
宵闇
(
よひやみ
)
に、
覺束
(
おぼつか
)
ない
提灯
(
ちやうちん
)
の
灯
(
ひ
)
一
(
ひと
)
つ
二
(
ふた
)
つ、
婦
(
をんな
)
たちは
落人
(
おちうど
)
が
夜鷹蕎麥
(
よたかそば
)
の
荷
(
に
)
に
踞
(
かゞ
)
んだ
形
(
かたち
)
で、
溝端
(
どぶばた
)
で、のどに
支
(
つか
)
へる
茶漬
(
ちやづけ
)
を
流
(
なが
)
した。
露宿
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
立出九郎兵衞は殊の外の
酒機嫌
(
さけきげん
)
にて
踉々
(
よろ/\
)
蹌々
(
ひよろ/\
)
とし乍ら
下伊呂村
(
しもいろむら
)
の
外
(
はづ
)
れへ
來掛
(
きかゝ
)
りし頃は
早
(
はや
)
亥刻
(
よつ
)
に近くて
宵闇
(
よひやみ
)
なれば足元も
暗
(
くら
)
くお里は大いに
草臥
(
くたびれ
)
しと河原の石に
腰
(
こし
)
を掛るに九郎兵衞惣内も同く石に
腰
(
こし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
宵
常用漢字
中学
部首:⼧
10画
闇
常用漢字
中学
部首:⾨
17画
“宵”で始まる語句
宵
宵暗
宵月
宵宮
宵々
宵寝
宵祭
宵越
宵啼
宵寐