漱石山房の秋そうせきさんぼうのあき
夜寒の細い往来を爪先上りに上つて行くと、古ぼけた板屋根の門の前へ出る。門には電灯がともつてゐるが、柱に掲げた標札の如きは、殆ど有無さへも判然しない。門をくぐると砂利が敷いてあつて、その又砂利の上には庭樹の落葉が紛々として乱れてゐる。 砂利と …
作品に特徴的な語句
分明ぶんみやん かたはら はづ ぬひと ぎよく 煌々くわうくわう がく わづか かへ 法帖はふでふ 天井てんじよう 往来わうらい うしろ うづ 斑々はんぱん 二方にほう あが たん たぎ 宵闇よひやみ 法帖ほふでふ 砂利じやり ゆか 黄興くわうこう 壁際かべぎは 唐本たうほん うづたか 呼鈴ベル 紙絹しけん 端然たんぜん すずり 硝子ガラス 銅瓶どうへい 雨漏あまも 青磁せいじ 風鐸ふうたく 石印せきいん ひるがえ 真上まうえ 紛々ふんぷん 紫檀したん 軒先のきさき 艸書さうしよ 艸花くさばな 銅印どういん 茶箕ちやき つた 蔵沢ざうたく 蕭條せうでう 鉢合はちあわ ボタン 欄干らんかん のぞ ふた また 何処どこ 其処そこ あま 半白はんぱく 古色こしよく 唐紙からかみ 墨竹ぼくちく 壁板したみ ほか 夜寒よさむ ことごと 百合ゆり かず 文鎮ぶんちん 更紗さらさ 有無うむ 木庵もくあん 木蓮もくれん 木賊とくさ 束髪そくはつ 横物よこもの 一人ひとり 此処ここ ほとん 派手はで 獅子しし